電子契約サービス比較|クラウドサイン・GMOサイン・MFの料金と印紙

紙の契約書に押印して郵送する流れは、電子契約サービスに置き換えられるようになりました。電子契約なら収入印紙が要らず、郵送の手間も待ち時間もなくなります。

ただ、クラウドサイン・GMOサイン・freeeサイン・マネーフォワード クラウド契約など候補が多く、料金の仕組みもサービスごとに違います。どれを選べばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか?

この記事では、中小企業の経営者や総務担当の方に向けて、主要な電子契約サービス7つを料金・送信料・無料で使える範囲で比較します。料金・仕様は2026年9月時点の公式情報です。

この記事で分かること
  • 電子契約サービス7つの料金・送信料と、無料で使える範囲
  • 電子契約に印紙が要らない理由と、節約額の試算
  • 立会人型と当事者型の違いと、中小企業に合う方式
  • 導入の進め方と、導入後にAIでできること
目次

電子契約サービスの比較表

先に、この記事で紹介する7つのサービスを表にまとめます。月々の基本料金だけでなく、1件ごとの送信料と使える人数を合わせて比べるのがポイントです。

久野

送信料がかかるサービスと、件数に関係なく定額のサービスがあります。まずは自社が月に何件の契約を送るかを数えてから比べてください。

料金と送信料の比較

電子契約システムの料金は、「月々の基本料金」と「1件送るごとの送信料」の組み合わせが中心です。表の料金は、中小企業が最初に選びやすいプランのものです。

スクロールできます
サービス月額(税抜)送信料(税抜)使える人数向いている会社
クラウドサインLight 11,000円1件220円無制限定番を選び、取引先に説明しやすくしたい
電子印鑑GMOサインライト 8,800円(年間契約。単月は9,500円)立会人型1件100円、当事者型1件300円無制限重要な契約を当事者型でも結びたい
freeeサインStarter 5,980円(年払い)月50通まで基本料金に含む。超えた分は1通100円から無制限freee人事労務などを使っている
マネーフォワード クラウド契約スモールビジネス 4,480円、ビジネス 6,480円(年払い)0円(件数による課金なし)スモールビジネスは1名、ビジネスは3名までマネーフォワード クラウドを使っている
DocusignStandard 1ユーザー3,300円(年払い)1ユーザー年100通まで基本料金に含む最大50ユーザー海外との契約が多い
Adobe Acrobat SignAcrobat Pro グループ版 1ライセンス3,080円(税込・年間)料金ページに記載なしライセンス単位Acrobatで日常的にPDFを編集している
BtoBプラットフォーム契約書シルバー 10,000円通常署名1通100円、長期署名1通200円無制限取引先がBtoBプラットフォームを使っている

マネーフォワード クラウド契約の料金は、会計や給与と一緒に使う「マネーフォワード クラウド」のプランの料金です。ビジネスプランでクラウド契約を4名以上で使うときは、1名につき月900円が加わります。

無料で使える範囲の比較

無料プランがあるのは3つで、どれも送れる件数や使える人数に上限があります。毎月決まった件数の契約を送る会社なら、無料プランは「操作を試す期間」と考えたほうが安全です。

サービス無料プラン・無料お試し無料で使える範囲
クラウドサインFreeプラン月2件まで、1名まで
電子印鑑GMOサインお試しフリー月5件まで、1名まで。契約印タイプ(立会人型)のみ
freeeサイン無料プラン/Standardの14日間お試し無料プランは月1通まで、3名まで
マネーフォワード クラウド契約1か月の無料お試しお試しの期間中
Docusign30日間の無料お試しお試しの期間中
Adobe Acrobat Sign無料体験最大10ライセンスまで
BtoBプラットフォーム契約書フリープランなし―

電子契約は、受け取る側の取引先にも画面を操作してもらう仕組みです。無料の範囲で、自社から取引先の立場のアドレスに1件送ってみると、相手に届くメールや画面の分かりやすさを確かめられます。

電子契約の仕組みと法的な効力

電子契約を選ぶ前に、仕組みと法律上の扱いを押さえておきましょう。「紙と同じように有効なのか」と「相手に何を準備してもらうのか」の二つが分かれば、選び方の軸が決まります。

電子契約とは、紙の契約書に押印する代わりに、PDFなどの電子ファイルに電子署名とタイムスタンプを付けて契約を結ぶ仕組みです。印刷・押印・郵送をせず、Webの画面の上で締結まで進みます。

紙の契約では、印刷して押印し、相手に郵送して押印してもらい、原本を保管していました。電子契約では、契約書のPDFをサービスから送り、相手が画面で内容を確かめて合意すると、締結が完了します。

電子契約に切り替えると、次のような変化があります。

  • 収入印紙が要らない(理由は後の節で国税庁の見解とともに説明します)
  • 印刷・封入・郵送・原本の保管の手間がなくなる
  • 相手の押印と返送を待たずに、その日のうちに締結できる
  • 過去の契約書を、取引先名や日付で検索できる
  • 押印のためだけに出社する必要がなくなる
コスト削減とビジネスマネジメント戦略。低予算での効率的な運営。ムダ削減のためにノートパソコンを使って支出を分析するビジネスマン。

業務委託・秘密保持(NDA)・売買・請負・雇用など、商取引で交わす契約書のほとんどは電子契約で結べます。一方で、法律で書面や公正証書が求められる契約もあります。

代表的なのは、公正証書で作る必要がある事業用定期借地権の設定契約です。なお、訪問販売などの特定商取引法の書面は、令和5年6月から、相手の承諾を得れば電子で渡せるようになりました。

ふだん扱わない種類の契約を電子化するときは、各サービスのヘルプや顧問の専門家に確かめてから進めてください。

電子署名法と三省のQ&A

電子契約の法的な根拠になるのが、電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)です。本人による電子署名が付いた電子文書は、本人が作ったものと推定される、と定めています。

概要は法務省「電子署名法の概要と認定制度について」で確かめられます。そもそも民法では、契約は当事者の合意で成立し、書面や押印は原則として必要ありません。

多くの電子契約サービスは、サービス事業者が利用者の指示を受けて署名する形をとっています。この形でも電子署名に当たるかについて、総務省・法務省・経済産業省が令和2年(2020年)にQ&Aを公表しました。

  • 令和2年7月17日:第2条関係のQ&A。利用者の意思だけで機械的に署名される仕組みなら、利用者が署名したと評価できる
  • 令和2年9月4日:第3条関係のQ&A。本人が作ったと推定されるには、2要素認証など「十分な水準の固有性」が必要
  • 令和6年1月9日:第3条関係のQ&Aを、デジタル庁と法務省が一部改定

電子契約サービスを選ぶときは、ログインのときにワンタイム・パスワードなどの2要素認証を使えるかを確かめておくと安心です。

立会人型と当事者型の違い

電子契約サービスには、立会人型(事業者署名型)と当事者型の二つの方式があります。同じ「電子契約」でも、相手に準備してもらうものが大きく違います。

立会人型は、サービス事業者が当事者に代わって電子署名を付ける方式です。電子契約のやり方は、次の流れになります。

  1. 自社が契約書のPDFをサービスにアップロードする
  2. 相手の名前とメールアドレスを入れて送る
  3. 相手はメールのリンクを開き、契約書を確かめて「同意」を押す
  4. サービス事業者が電子署名とタイムスタンプを付け、締結が完了する

当事者型は、契約する双方が電子証明書を取得し、それぞれが自分で署名する方式です。相手にも電子証明書を用意してもらう必要があります。

  1. 双方が認証局から電子証明書を取得しておく(マイナンバーカードの証明書なども使える)
  2. 自社が契約書のPDFをサービスにアップロードする
  3. 自社が自分の電子証明書で署名する
  4. 相手も自分の電子証明書で署名し、タイムスタンプが付いて完了する
方式自社の準備相手の準備
立会人型サービスの契約メールアドレスだけ
当事者型電子証明書と署名の環境自社と同じものをすべて

中小企業の日常的な契約は、立会人型で十分です。法的な扱いは三省のQ&Aで整理されており、相手の準備もメールアドレスだけで済みます。

取引先に「電子証明書を用意してください」とお願いすると、それだけで電子契約に応じてもらえないことがあります。立会人型は、メールでの本人確認に置き換えることで、この手間をなくした方式です。

不動産の売買や金銭の貸し借りなど、後から「本人が結んだ契約か」が争われるおそれのある契約は、当事者型も検討してください。両方の方式を使い分けられるサービスもあります。

電子契約で印紙が不要になる理由

電子契約を選ぶいちばんの理由になりやすいのが、印紙税です。ここでは、印紙が要らない根拠と、どのくらい節約できるかを整理します。

電磁的記録は課税文書に当たらない

国税庁は質疑応答事例で、「電磁的記録は文書に含まれません」として、電子契約に印紙税は課税されないと答えています。印紙税の対象は、課税物件表に挙げられた「文書」だけだからです。

事例では、建設工事の注文請書の代わりに、電子署名を付けたデータをメールで送る場合が取り上げられています。詳しくは国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」で確かめられます。

電子で結んだ契約を、あとから書面の変更契約書で直すときは、書面の変更契約書に書いた内容だけで印紙税が判断されます(国税庁の質疑応答事例)。変更も電子契約で結ぶと、扱いが分かりやすくなります。

印紙税と郵送費の節約額の試算

どのくらい節約できるかを、例で計算してみます。ある中小企業が、次のような契約を毎月交わしている場合です。

  • 請負契約書(第2号文書):月10件、1件の契約金額300万円。印紙税は1件1,000円
  • 継続的取引の基本契約書(第7号文書):月2件。印紙税は1件4,000円
  • 秘密保持契約書や雇用契約書など、印紙税のかからない契約書:月5件
  • 郵送・印刷の費用:仮に1件300円とする

印紙税額は国税庁の請負契約書の税額表と継続的取引の基本となる契約書の説明に基づきます。紙の場合の1年間の費用は、次のとおりです。

項目計算紙の場合の年間費用
印紙税(請負契約書)1,000円×年120件120,000円
印紙税(基本契約書)4,000円×年24件96,000円
郵送・印刷の費用300円×年204件61,200円
合計―277,200円

電子契約にすると、これらの代わりにサービスの利用料がかかります。同じ年204件を送った場合の利用料(税抜)は、公式の料金から計算すると次のとおりです。

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サービスの例計算年間の利用料紙との差
電子印鑑GMOサイン(ライト・年間契約)8,800円×12か月+100円×204件126,000円約15万円
クラウドサイン(Light)11,000円×12か月+220円×204件176,880円約10万円

この例では、お金の面で年に約10万〜15万円の差になります。仮に紙の契約の事務作業が1件30分かかっているとすると、年204件で約100時間の作業もなくなります。

建設工事の請負契約書は、令和9年3月31日までに作るものについて印紙税の軽減措置があり、税額はこの試算より下がります。契約金額が大きい業種ほど、印紙税の差は大きくなります。

電子帳簿保存法で求められる保存

電子契約で結んだ契約書は、電子帳簿保存法の「電子取引」のデータに当たり、紙に印刷せず電子のまま保存する必要があります。国税庁の資料では、保存のしかたに次の二つの要件が示されています。

  • 改ざんを防ぐ措置:タイムスタンプを付ける、訂正や削除の記録が残る(またはできない)システムを使う、事務処理規程を作って守る、のいずれか
  • 検索できること:取引年月日・取引金額・取引先で探せる

電子契約サービスの多くは、締結した契約書を取引先名や日付で検索でき、改ざんを防ぐ仕組みも備えています。サービスの中で保存していれば、要件の多くを満たしやすくなります。

2課税年度前の売上高が5,000万円以下の会社は、税務署からデータのダウンロードを求められたときに応じられれば、検索の要件は不要です(国税庁の資料)。

会計ソフトに入れない書類をどこに保存するかは、次の記事で整理しています。

主要な電子契約サービスの特徴

ここからは、7つのサービスを一つずつ紹介します。会計ソフトとの相性や、送る件数によって向くサービスが変わるので、自社の使い方に近いものから読んでください。

このほか、SMBCクラウドサイン、Shachihata Cloud、WAN-Sign、ジンジャーサイン、リーテックスデジタル契約なども電子契約サービスの候補になります。

クラウドサイン:迷ったら候補になる定番

料金
Light 月額11,000円(税込12,100円)。Corporate 月額30,800円(税込)。無料のFreeプランあり
無料お試し
Freeプラン(月2件・1名まで)
送信料
1件220円(税込242円)
向いている会社
定番のサービスを選び、取引先に説明しやすくしたい会社
ユーザー数は無制限導入250万社超kintone・Teamsと連携

クラウドサインは、弁護士ドットコムが運営する電子契約サービスです。公式サイトでは、導入250万社超・累計送信件数4000万件超としています。

富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2025年版」(2024年度実績)で電子契約ツールのシェア1位とされており、取引先がすでに使っている、または名前を知っていることが多いのが強みです。

中小企業が選びやすいのはLightプランで、月額11,000円(税込12,100円)に、1件220円(税込242円)の送信料がかかります。ユーザー数はどのプランでも無制限なので、社員全員にアカウントを渡せます。

紙の契約書を取り込む機能や、取り込んだ書類をAIで読み取る機能は、上位のCorporateプランからです。送信時の契約書をAIで読み取り、契約日や取引先名を書類の情報に反映する機能は、全プランで使えます。

Microsoft Teamsやkintoneとの連携、Salesforce向けの「クラウドサイン for Salesforce」も用意されています。

電子印鑑GMOサイン:当事者型にも対応

料金
ライト 年間契約で月8,800円(税込9,680円)、単月契約で月9,500円
無料お試し
お試しフリー(月5件・1名、契約印タイプのみ)
送信料
立会人型1件100円、当事者型1件300円(税抜)
向いている会社
重要な契約を当事者型でも結びたい会社、月単位で始めたい会社
立会人型と当事者型単月契約ありマイナンバー実印

電子印鑑GMOサインは、GMOグローバルサイン・ホールディングスが運営する電子契約サービスです。公式サイトでは、350万社以上の事業者が利用しているとしています(2026年6月末時点)。

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応しているのが特徴です。ふだんの契約は立会人型で、重要な契約は当事者型で、と契約の重さで使い分けられます。

中小企業が選びやすいのはライトプランです。年間契約なら月8,800円、1か月単位の単月契約なら月9,500円で、ユーザー数は無制限です。

送信料は立会人型が1件100円、当事者型が1件300円(どちらも税抜)です。マイナンバーカードを使って署名する「マイナンバー実印」もオプションで用意されています。

無料のお試しフリーは、月5件・1名までで、使えるのは契約印タイプ(立会人型)だけです。当事者型を試すには、ライトプラン以上の契約が必要です。

freeeサイン:freeeの人事労務と連携

料金
Starter 月5,980円(年払い。月払いは7,180円)、Standard 月29,800円(年払い)。税抜
無料お試し
無料プラン(月1通・3名)、Standardは14日間無料
送信料
Starterは月50通まで含む。超えた分は電子サイン1通100円、電子署名1通200円
向いている会社
freee人事労務やfreee業務委託管理を使っている会社
無料プランあり月50通まで定額契約チェックはStandard

freeeサインは、フリーが提供する電子契約サービスです。freee人事労務と連携して雇用契約書を、freee業務委託管理と連携して業務委託契約書を管理できます。

中小企業が選びやすいのはStarterプランで、年払いなら月5,980円です。月50通までの送信が基本料金に含まれ、ユーザー数は無制限です。

50通を超えた分は、メールでの本人確認による電子サインが1通100円、電子証明書を使う電子署名が1通200円です。契約期間はどのプランも1年間で、料金はすべて税抜です。

AIが契約書の内容を確かめる「契約チェック機能」は、Standardプラン(年払いで月29,800円)から使えます。Standardプランは14日間無料で試せます。

マネーフォワード クラウド契約:送信料が無料

料金
スモールビジネス 月4,480円(年払い・クラウド契約は1名)、ビジネス 月6,480円(年払い・3名、4名以上は1名900円)。税抜
無料お試し
1か月無料
送信料
0円(送信件数・保管件数による課金なし)
向いている会社
マネーフォワード クラウドの会計や給与を使っている会社、送る件数が多い会社
送信料・保管料0円申請と承認のワークフローAI-OCRで自動入力

マネーフォワードの電子契約サービスで、契約書の作成から社内の申請・承認、締結、保管までを一つの画面で扱えます。送信件数や保管件数による課金や上限がないので、送る件数が多い会社ほど割安になります。

小規模な会社向けの料金は、会計や給与と一緒に使う「マネーフォワード クラウド」のプランに含まれます。

スモールビジネスプランは年払いで月4,480円(クラウド契約は1名まで)、ビジネスプランは月6,480円(3名まで)です。

ビジネスプランでクラウド契約を4名以上で使うときは、1名につき月900円が加わります。どちらのプランも1か月無料で試せます。

AI-OCRによる契約情報の自動入力や、契約期間のアラートにも対応しています。紙の契約書や他社の電子契約で結んだ契約書も、まとめて管理できます。

Docusign:海外との契約に強い

料金
Standard 1ユーザー月3,300円(年払い)、Business Pro 月5,300円(年払い)
無料お試し
30日間
送信料
1ユーザー年100通まで基本料金に含む(年払い)
向いている会社
海外の取引先や海外の子会社と契約を結ぶことが多い会社
海外で広く使われる1ユーザー単位の料金30日間の無料お試し

Docusign eSignatureは、海外で広く使われている電子署名のサービスで、日本語の画面にも対応しています。海外の取引先から「Docusignで送ってほしい」と言われる場面が多い会社に向いています。

料金は1ユーザー単位で、Standardプランは年払いで月3,300円です。1ユーザーあたり年100通まで送れ、使えるのは最大50ユーザーまでです。

使う人数だけ料金が増えるため、全員に配るより、契約を送る担当者だけにアカウントを渡すほうが費用を抑えられます。30日間の無料お試しがあります。

Adobe Acrobat Sign:PDFと一体

料金
Acrobat Pro グループ版 1ライセンス月3,080円(税込・年間)
無料お試し
最大10ライセンスまで無料体験
送信料
料金ページに記載なし
向いている会社
AcrobatでPDFを日常的に編集している会社
PDF編集と電子サインライセンス単位AIアシスタントは別

Adobe Acrobat Signは、Adobeの電子サインのサービスです。法人向けのAcrobat Pro グループ版に、電子サインを集めて進み具合を追える機能が含まれています。

Acrobat Pro グループ版は、1ライセンス月3,080円(税込・年間)です。すでにAcrobat ProでPDFを編集している会社なら、新しいサービスを契約せずに電子契約を始められます。

送信件数ごとの料金は、料金ページには書かれていません。

PDFの要約や質問に答える「Acrobat AIアシスタント」は、上位のAcrobat Studioに標準で含まれ、ほかのプランではアドオンです。

PDF編集が要らず電子契約だけを使いたい会社には、機能が多すぎることがあります。

BtoBプラットフォーム契約書:取引先とつながる

料金
シルバー 月10,000円、ゴールド 月30,000円(税抜)
無料お試し
フリープランなし
送信料
通常署名1通100円、長期署名1通200円
向いている会社
取引先がBtoBプラットフォームの請求書などを使っている会社
ユーザー数は無制限長期署名に対応更新期限のアラート

BtoBプラットフォーム契約書は、インフォマートが提供する電子契約サービスです。公式サイトでは、BtoBプラットフォームを120万社以上が利用しているとしています(2025年6月末時点)。

料金はシルバープランが月10,000円で、ユーザー数は無制限です。送信料は通常署名が1通100円、長く保存する契約に向く長期署名が1通200円です。

更新期限のアラート、タグの設定、全文検索などの管理機能もそろっています。取引先がすでにBtoBプラットフォームの請求書などを使っている場合に、候補に入れるとよいでしょう。

自社に合うサービスの選び方

ここまでのサービスを、自社の状況に当てはめて選ぶ手順をまとめます。「使っている会計ソフト」「契約の重さ」「取引先の場所」の順に考えると、候補が絞れます。

すでにfreeeやマネーフォワード クラウドを使っているなら、同じ会社の電子契約サービスから検討するのが近道です。アカウントの管理や、雇用契約書・業務委託契約書の管理を一つにまとめられます。

freeeとマネーフォワードの会計ソフトをまだ決めていない場合は、行政書士事務所のクラウド会計ソフト比較で両者の違いを整理しています。

どちらも使っていない会社は、次の「契約の重さ」と「送る件数」で選びます。送る件数が多いならマネーフォワード クラウド契約のような送信料のないサービス、少ないなら基本料金の安いサービスが有利です。

ふだんの業務委託契約やNDAが中心なら、立会人型だけのサービスで足ります。取引先の手間が少なく、締結までが早いためです。

不動産や金銭の貸し借りなど、後から本人が結んだかが争われるおそれのある契約も扱うなら、当事者型にも対応したGMOサインを候補にします。

商業登記の申請に電子契約の書類を使う予定があるなら、法務省の「商業・法人登記のオンライン申請について」の一覧も確かめてください。

クラウドサイン・GMOサイン・freeeサイン・マネーフォワード クラウド契約・Adobe Acrobat Sign・Docusignが一覧に載っていますが、使える書面の範囲はサービスごとに違います。

Docusign・Adobe Acrobat Signのような海外のサービスも、立会人型の電子契約として日本で使えます。電子署名法の扱いは、国内のサービスと同じく三省のQ&Aで整理されています。

気をつけたいのは、電子帳簿保存法の検索の要件です。取引年月日・取引金額・取引先で探せる状態で保存する必要があるため、サービスの中で探しにくい場合は、台帳を別に作って管理します。

海外のサービスは、料金がユーザー単位で、送れる件数にも上限があります。国内の取引先との契約が中心なら、国内のサービスと費用を比べてから決めてください。

電子契約サービスは、会計・販売管理・顧客管理(CRM)などと組み合わせて使うことが多いものです。連携できるかどうかで、導入後に減る手間が変わります。

公式で確かめられる主な連携は、次のとおりです。

  • クラウドサイン:Microsoft Teams、kintone、Salesforce(クラウドサイン for Salesforce)
  • freeeサイン:freee人事労務、freee業務委託管理。Starter以上でAPIとWebhook
  • マネーフォワード クラウド契約:マネーフォワード クラウドの各サービス

公式の連携がない組み合わせでも、Zapier・Make・n8nなどの業務自動化ツール(iPaaS)で、締結の通知をチャットに送るといった連携を作れます。ツールの違いは次の記事で比べています。

導入の進め方と取引先への伝え方

電子契約は、自社だけでなく取引先にも使ってもらう仕組みです。社内の決まりと、取引先への案内を先に準備すると、導入してから止まることを防げます。

社内で先に決めること

導入の前に、社内で次の四つを決めておきます。

  1. 対象の契約:まずはNDAや業務委託契約など、件数が多く定型的な契約から始める
  2. 送る権限:誰が契約書を送ってよいか、送る前に誰が承認するかを決める
  3. 保存のルール:締結した契約書をサービスの中に置き、紙に印刷して保存しない
  4. 紙の契約書の扱い:過去の紙の契約書を取り込むか、紙のまま保管するかを決める

使わなくなったサービスや、重複しているサービスの見直しは、中小企業のSaaS費用を見直す手順で紹介しています。

取引先への案内と、断られたとき

初めて電子契約を送る取引先には、メールが届く前に、何が届くのかを一言伝えておくと迷われません。案内に書く内容は、次のような形です。

伝えること記入例
何が届くか「〇〇サービスから、業務委託契約書の確認依頼のメールが届きます」
相手の準備「会員登録や費用は不要で、メールのリンクから内容を確かめて同意いただくだけです」
いつまでに「〇月〇日までにご確認をお願いします」
問い合わせ先「操作が分からない場合は、担当の〇〇(電話番号)までご連絡ください」

取引先の社内規程で電子契約が認められていないなど、断られた場合は、その取引先だけ紙で結ぶ形にします。無理に電子契約へ切り替えず、紙と電子の契約書を同じ一覧で管理しておくと、あとで探すときに困りません。

久野

取引先に電子契約をお願いするときは、「相手の費用はかからない」ことを最初に伝えると話が進みやすくなります。立会人型なら、相手の準備はメールアドレスだけです。

導入後にAIでできること

電子契約サービスを入れると、締結の早さと印紙税の問題は解決します。各サービスにも、契約書の情報をAIで読み取る機能や、期限のアラートが入り始めています。

ここでは、サービスの標準機能では届かない部分を、AIエージェントで補う例を紹介します。どの例も、取引先に届く前や契約が決まる前に、人の確認を挟むことが前提です。

  1. 契約書の下書きを作る:取引の内容から、自社のひな形に沿った下書きを作る。送る前に担当者が金額や期間を確かめる
  2. 受け取った契約書を一次チェックする:自社の基準と違う条項(支払いの期日、損害賠償の上限など)を一覧にする。受け入れるかは人が決める
  3. 期限の通知を担当者ごとに回す:30日前に担当者へ知らせ、対応がなければ上長へ回す。読み取った期限は、最初のうちは人が確かめる
  4. 契約書をほかの文書と横断して探す:ベクトル検索(意味検索)で、「違約金の条項がある契約は?」のようにふだんの言葉で探せるようにする

freeeサインのStandardプランには契約チェック機能があります。

自社独自の基準で確かめたい場合や、見積書・議事録とまとめて探したい場合は、個別に作ることになります。どこまで社外のAIに渡してよいかは、先に決めておきましょう。

AIエージェントを外部に頼んで作る場合の確かめ方はカスタムAIエージェントの発注先の選び方で、人の承認を挟む設計は送る前に止める業務自動化の設計で紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  1. 電子契約は電子署名法と三省のQ&Aで法的な扱いが整理されており、電磁的記録には印紙税がかからない
  2. 中小企業の日常的な契約は立会人型で足り、料金は基本料金・送信料・使える人数を合わせて比べる
  3. 会計・労務ソフト、契約の重さ、取引先の場所の順に考え、無料プランで取引先の画面まで試してから決める

電子契約サービスは、自社が月に何件送るか、どのソフトを使っているかで向くものが変わります。状況ごとの目安は次のとおりです。

  • 定番を選び、取引先に説明しやすくしたい ⇒ クラウドサイン
  • 重要な契約を当事者型でも結びたい、月単位で始めたい ⇒ 電子印鑑GMOサイン
  • freee人事労務などを使っている ⇒ freeeサイン
  • マネーフォワード クラウドを使っている、送る件数が多い ⇒ マネーフォワード クラウド契約
  • 海外との契約が多い ⇒ Docusign
  • Acrobat ProでPDFを編集している ⇒ Adobe Acrobat Sign
  • 取引先がBtoBプラットフォームを使っている ⇒ BtoBプラットフォーム契約書

どのサービスでも、導入はゴールではなく、契約書を探す・期限を守る・確かめる作業を減らす出発点です。まずは件数の多い契約を一つ選び、無料の範囲で試すところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

1981年生まれ、名古屋出身。株式会社ニューロシンク代表。

2008年に渡独し、ベルリンで約18年間エンジニアとして活動。ドイツの国家資格である職業訓練プログラム「アプリケーション開発専門IT技術者」を修了後、医療系の自社開発企業でデスクトップ・Webアプリケーションの開発に4年間従事しました。2022年からはドイツの大手SIer「Adesso SE」で、フルスタックエンジニアとしてリードポジションを務めました。

2026年に日本へ帰国し、同年9月に株式会社ニューロシンクを設立。愛知・岐阜・三重の町工場を主な対象に、AI導入と業務システムの改善を支援しています。提案だけで終わらせず、工場に足を運んで一緒に手を動かす。そんな現場に立つAIエンジニアでありたいと考えています。

著書「AI時代の海外移住戦略」

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