経費精算アプリ比較|10人以下の会社は最低料金と人数の下限で選ぶ

毎月の締め日が近づくと、社員から集まった領収書やレシートを前に、Excelへの入力と検算に追われていないでしょうか?

字がかすれて金額が読めない、日付が抜けている、現金の立替の記録が見つからず月末に残高が合わない。こうした作業が続くと、「そろそろ経費精算アプリを入れたほうがいいのでは?」と考え始めるはずです。

ところが、比較サイトで「1人あたり月額400円」といった表示を見て問い合わせると、「月額の下限は5,000円です」と言われることがあります。

10人以下の会社では、1人あたりの単価よりも、最低利用料金や基本料金といった「契約の下限」が実際の費用を決めます。

この記事では、10人以下の会社でも無駄なく使える経費精算アプリを、3人・5人・10人で使ったときの月額で比べます。アプリを契約せずに済ませる方法(法人カード・会計ソフトの機能・生成AI)も合わせてご紹介します。

料金・仕様は2026年9月時点の公式情報で、金額はすべて税抜です。50人以上の会社向けの選び方は、選ぶ基準が大きく違うため、この記事では扱いません。

この記事で分かること
  • 10人以下の会社が先に確かめるべき「契約の下限」
  • 3人・5人・10人で使ったときの月額の目安
  • 小規模の会社に合う経費精算アプリ5製品の特徴
  • アプリを契約しない方法と、その選び方
目次

10人以下で使える経費精算アプリの比較表

先に、この記事でご紹介する5製品と、よく名前の挙がる楽楽精算の料金のしくみを表にまとめます。

会計ソフトもまとめて使うならマネーフォワード クラウド経費、経費精算だけを安く始めるならジョブカン経費精算かinvox経費精算が候補です。

スクロールできます
製品料金のしくみ契約の下限無料お試し
マネーフォワード クラウド経費人数ごとの定額プラン。6名以上は1人500円を加算人数の下限なし(1名のプランから)1か月
ジョブカン経費精算1人 月400円最低利用料金 月5,000円30日間
invox経費精算基本料金 月1,980円+申請した人1人300円人数の下限なし。月契約あり
経費BANK10IDで年額36,000円から10IDの料金から公式ページに記載なし
freee支出管理 経費精算Plus基本料金 月7,500円(年払い)+申請・承認した人1人650円基本料金 月7,500円無料のデモ体験
楽楽精算月額30,000円から+初期費用100,000円月額30,000円この記事では扱わない

次の表は、登録した全員が毎月申請した場合の月額の目安です。楽楽精算を除けば、10人で使っても月3,000〜14,000円ほどで、人数によって安い順番が入れ替わります。

スクロールできます
製品3人5人10人
マネーフォワード クラウド経費(年払い)4,480円6,480円8,980円
ジョブカン経費精算5,000円5,000円5,000円
invox経費精算(ミニマム)2,880円3,480円4,980円
invox経費精算(ベーシック)10,700円11,300円12,800円
経費BANK(年払いの月額換算)3,000円から3,000円から3,000円から
freee支出管理 経費精算Plus(年払い)9,450円10,750円14,000円
楽楽精算30,000円から30,000円から30,000円から

レシートの読み取り(OCR)や電子帳簿保存法の機能は、製品によって別料金です。表はオプションを付けない金額なので、実際の見積りは「使いたい機能」を伝えてから取ってください。

テレビCMなどで名前をよく見る楽楽精算は、公式の料金ページで月額30,000円から、初期費用100,000円です。10人以下の会社では、ほかの製品の数倍の費用になるため、この記事では候補から外しています。

久野

料金表の単価に人数を掛ける前に、最低利用料金と基本料金を確かめてください。10人以下の会社では、そこで月の費用がほぼ決まります。

小規模の会社は契約の下限で選ぶ

10人以下の会社で経費精算アプリを選ぶとき、最も大切なのは「1人あたりの月額」ではなく「契約の下限」です。比較サイトの「月額○○円/人」は1人あたりの単価で、自社の人数を掛けても実際の請求額とは一致しません。

最低利用料金と基本料金の違い

契約の下限には、大きく分けて次の形があります。どの形かによって、人数が少ないときの割高さが変わります。

  • 最低利用料金:人数分の合計が下回っても、この金額を請求される
  • 基本料金+人数分:人数にかかわらず基本料金がかかり、使った人数分を足す
  • 人数ごとの定額プラン:決まった人数まで定額で、超えた分を足す
  • 最低契約人数:申し込める人数の下限。自社の人数が下回ると契約できない

この記事の5製品のうち、最低利用料金はジョブカン経費精算、基本料金+人数分はinvox経費精算とfreee、定額プランはマネーフォワード クラウド経費です。

経費BANKは10IDでの料金が出発点なので、10人以下なら人数が減っても料金は下がりません。

単価が安いほど得とは限らない

たとえばジョブカン経費精算は、1人あたり月400円と、単価だけを見れば安い部類の製品です。ただし最低利用料金が月5,000円なので、10人で使っても4,000円にはならず、5,000円を請求されます。

単価どおりの計算になるのは、利用者が13人以上になってからです。つまり人数の少ない会社では、単価の安い製品のほうが割高になる逆転が起こります。

一方で、ジョブカン経費精算にOCRのオプション(1人100円)を付けると1人500円になり、10人でちょうど下限の5,000円に届きます。ジョブカンワークフローとセットの1人600円なら、9人から下限を上回ります。

「この人数なら下限に届くか」を先に計算しておくと、どの製品が割高かが見えてきます。

実際に申請する人数で見積る

経費精算アプリを入れても、全員が毎月申請するとは限りません。「営業担当と社長の3人だけが申請する」という会社も多いはずです。

製品によっては、その月に申請しなかった人の料金がかからない「アクティブユーザー課金」を採用しています。マネーフォワード クラウド経費、invox経費精算、freeeが当てはまります。

マネーフォワード クラウド経費では、管理や承認の権限を持つ人は、操作の有無にかかわらず課金の対象です。社長が承認だけをする場合も、1人として数えます。

そのため、問い合わせや見積りでは、次のように具体的に伝えるのがポイントです。「社員10名です」とだけ伝えると、全員分を含めた見積りが出てきます。

問い合わせで伝える例

「従業員は10名ですが、毎月経費を申請するのは3名、承認するのは社長1名です。この場合の月額を教えてください。」

経費精算アプリに必要な機能

金額の次は、機能を確かめましょう。各製品の基本の機能は似ていますが、「どこまでが標準で、どこからがオプションか」に違いが出ます。

申請する人・承認する人・経理の三つの立場に分けて整理しました。

申請者(社員)が使う機能

現場の社員が使いこなせなければ、アプリを入れても定着しません。申請する人が使う主な機能は次のとおりです。

  • レシートの読み取り(OCR):スマホで撮ると日付・金額・支払先が入る
  • 経路検索:駅名を入れると運賃が自動で計算される
  • 交通系ICカードの読み取り:利用履歴がそのまま申請データになる
  • 定期区間の自動控除:通勤定期の区間の運賃を差し引く
  • 事前申請・仮払い:出張前の概算と、帰ってからの精算をつなぐ

10人以下の会社で本当に役立つのは、レシートの読み取りと経路検索の二つです。定期区間の控除などは、対象者が少なければ手作業で十分に確かめられます。

承認者(社長・上司)が使う機能

承認の流れは、できるだけ単純に保つのがポイントです。承認する人が使う機能には、次のものがあります。

  • スマホでの承認:出張先や移動中でも承認できる
  • 多段階の承認:部署や金額に応じて承認の順番を設定する
  • 規程違反のチェック:上限額の超過や二重申請を自動で見つける

10人以下の会社では、承認者は社長か担当役員の1人で済むことがほとんどです。多段階の承認や高度な自動チェックは、この規模ではほとんど要りません。

経理担当が使う機能

経理の手間を減らすことが、アプリを入れる一番の利点です。経理担当が使う主な機能は次のとおりです。

  • 会計ソフトとの連携:仕訳データを会計ソフトへ送る
  • 仕訳データの自動作成:申請の内容から勘定科目つきの仕訳を作る
  • 振込データの作成:全銀フォーマットで出力し、ネットバンキングで一括で振り込む

会計ソフトとの連携は、「APIでの連携(ボタン一つで同期)」か「CSVでの連携(ファイルを書き出して取り込む)」かを必ず確かめてください。CSVでの連携だと、毎月のファイル操作の手間が残ります。

電子帳簿保存法とインボイスへの対応

紙の領収書を捨てたい場合は、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たした保存が必要です。原本を捨てるつもりなら、電子帳簿保存法に対応したアプリを選ぶことになります。

注意したいのは、同じ製品でもプランによって対応が違う点です。

マネーフォワード クラウド経費では、基本料金に含まれるチームプランでは電子帳簿保存法の機能が使えず、コーポレートプラン(1人200円、最低5アカウント・月1,000円から)で使えるようになります。

インボイス制度では、領収書の発行元が適格請求書発行事業者かを、登録番号で照合する機能があると便利です。invox経費精算と経費BANKは、登録番号の確認に対応しています。

メールやWebで受け取った領収書のデータ(電子取引)は、紙に印刷して残すのではなく、データのまま保存する必要があります。保存先の決め方は、電子取引データの保存先を決めるで整理しています。

追加費用がかかる機能を確かめる

安いプランを選ぶと、主な機能が別料金になっていることがあります。この記事の製品で、公式ページに書かれている追加費用の例をまとめます。

製品レシートの読み取りそのほかの追加費用の例
マネーフォワード クラウド経費オペレーターによる入力は1枚20円電子帳簿保存法の機能はコーポレートプラン(1人200円)
ジョブカン経費精算OCRオプション 1人100円タイムスタンプオプション 1人100円
invox経費精算申請した人数×30件/月まで0円承認の流れや仕訳データはベーシック(基本料金 月9,800円)
経費BANKAI-OCRは別の申し込みICカードの読み取り機は別売

必要な機能が削られて手入力が残ると、Excelでの管理と手間が変わらず、月額の費用だけがかかります。問い合わせの際は、「レシートの読み取りと会計ソフトとの連携は、この料金に含まれていますか?」と確かめるのが確実です。

10人以下の会社に合う経費精算アプリ

ここからは、10人以下の会社でも契約しやすい5製品を順にご紹介します。どれを選ぶか迷った場合は、次の順番で絞り込むと決めやすくなります。

  1. 今使っている会計ソフトとの相性
  2. 自社の人数での契約の下限
  3. レシートの読み取りが標準かオプションか

マネーフォワード クラウド経費

料金
3名まで月4,480円、5名まで月6,480円(年払い)。6名以上は1人500円を加算
無料お試し
1か月(ビジネスプラン相当の機能)
契約の下限
人数の下限なし。人数ごとの定額プラン
向いている会社
マネーフォワード クラウド会計を使っている会社、会計もまとめて入れたい会社
会計・請求書とまとめて使えるアクティブユーザー課金オペレーターによる入力

マネーフォワード クラウド経費は、従業員50名以下の会社向けに、人数ごとの定額プランを用意しています。

利用者3名以下のスモールビジネスプランは月4,480円、4名以上のビジネスプランは5名まで月6,480円(どちらも年払い)で、6名以上は1人500円を足します。

経営者1名だけのひとり法人プラン(月2,480円)もあり、人数の下限はありません。料金にはクラウド経費だけでなく、会計や請求書などのサービスも含まれます。

すでにマネーフォワード クラウド会計を使っている会社なら、申請から仕訳まで同じサービスの中でつながるため、第一の候補になります。

経路検索と交通系ICカードからの入力は全プランに含まれ、定期区間の自動控除にも対応しています。

手書きの領収書や、文字がかすれやすいコインパーキングのレシートが多い場合は、オペレーターが代わりに入力するサービス(1枚20円)を使えます。

マネーフォワードは、2027年6月1日からこの3プランの料金を改定する予定です。スモールビジネスプランは年払いで年53,760円から64,560円に、ビジネスプランは年77,760円から83,760円に上がり、契約の更新時から新しい料金になります(お知らせ)。

同じ改定で、ビジネスプランの「AI-OCRから入力」のオプション料金がなくなり、件数の制限なく使えるようになる予定です。

ジョブカン経費精算

料金
1人 月400円(ほかのジョブカン製品と併用なら350円)
無料お試し
30日間
契約の下限
最低利用料金 月5,000円
向いている会社
勤怠管理などほかのジョブカン製品を使っている会社、10人前後で使う会社
単価が安い最低利用料金 月5,000円ジョブカン製品とセット割

ジョブカン経費精算は、1人あたり月400円と、単価だけを見れば安い部類の製品です。ただし最低利用料金が月5,000円なので、12人以下なら毎月5,000円と考えておきましょう。

すでにジョブカン勤怠管理などを使っている会社は、1人あたり350円になります。ジョブカンワークフローとセットにすると1人600円(併用なら500円)で、申請書の回覧もまとめられます。

交通系ICカードの読み取りや経路検索など、交通費の精算に要る機能はそろっています。レシートの読み取り(OCR)は1人100円のオプションなので、使う場合は見積りに含めてください。

invox経費精算

料金
ミニマム 月1,980円+申請した人1人300円。承認の流れや仕訳データが要るならベーシック 月9,800円+1人300円
無料お試し
あり
契約の下限
人数の下限なし。月契約
向いている会社
数人で小さく始めたい会社
初期費用0円月契約インボイスの登録番号を照合

invox(インボックス)経費精算は、月額の基本料金に、その月に申請した人の数×300円を足す料金です。初期費用はかからず、年間の契約ではなく月単位の契約で始められます。

いちばん安いミニマムは基本料金が月1,980円で、3人なら月2,880円です。

ただしミニマムは「仕訳データの生成と承認の流れが要らない方」向けとされていて、社長が承認してから会計ソフトへ送る使い方なら、基本料金 月9,800円のベーシックになります。

AI OCRによる領収書の読み取りは、申請した人数×30件までが毎月の料金に含まれます。経路検索、インボイスの登録番号の照合、電子帳簿保存法への対応も備えています。

経費BANK

料金
10IDで年額36,000円から(月3,000円相当)。AI-OCRは別の申し込み
無料お試し
公式ページに記載なし
契約の下限
10IDの料金から
向いている会社
インストール型の会計ソフトを使っている会社、請求書の支払いもまとめたい会社
駅すぱあとで経路検索電子帳簿保存法のJIIMA認証請求書の支払いにも対応

経費BANKは、SBIビジネス・ソリューションズが提供する経費精算システムです。10IDで年額36,000円から(月3,000円相当)と、10人以下なら料金の総額はこの記事の中で低い部類に入ります。

経路検索には「駅すぱあと」を使い、登録した定期区間の運賃は自動で差し引かれます。交通系ICカードの履歴は、モバイルSuica・PASMOならワンクリックで、カードは別売の読み取り機で取り込めます。

勘定奉行や弥生、PCAなど、今使っている会計ソフトの形式に合わせて仕訳データを出力できる点が強みです。受け取った請求書の申請・承認から支払処理、電子保存までを同じ画面で扱えます。

電子帳簿保存法には標準で対応し、JIIMA認証(電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証)を取っています。レシートの読み取り(AI-OCR)は別の申し込みなので、料金は見積りで確かめてください。

freee支出管理 経費精算Plus

料金
基本料金 月7,500円(年払い。月払いは10,000円)+申請・承認した人1人650円
無料お試し
無料のデモ体験あり
契約の下限
基本料金 月7,500円から
向いている会社
freee会計を使っていて、経費の申請もfreeeにそろえたい会社
freee会計とつながるスマホアプリ・LINEで申請高精度AI-OCR

freee支出管理 経費精算Plusは、freeeの経費精算のサービスです。基本料金が年払いで月7,500円(年額90,000円)と、この記事の中では下限が高めの製品です。

課金されるのは、その月に申請か承認をした人で、1人あたり月650円です。10人全員が使うと月14,000円になるため、10人以下の会社では、freee会計を使っていることが選ぶ理由になります。

領収書はスマホで撮影し、AI-OCRで読み取ります。スマホアプリやLINEから申請できるため、外回りの多い社員でも使いやすい製品です。

アプリを契約しない選択肢

10人以下の会社なら、専用のアプリを入れなくても、経費精算の手間を大きく減らせる方法があります。アプリの費用をかける前に、次の三つで足りないかを確かめてみてください。

法人カードで立替をなくす

最も効果が大きいのは、立替精算そのものを起こさない方法です。社員に法人カード(追加カード)を持たせれば、利用明細がそのまま経費のデータになります。

明細を会計ソフトに連携させれば、仕訳の候補も自動で作られます。向き不向きは次のとおりです。

  • 利点:現金の立替がなくなり、精算と現金出納の管理がほぼ要らなくなる
  • 費用:カードの年会費(カードによって違う)
  • 向いている会社:交際費、備品の購入、ネットでの支払いが多い会社

カード会社の利用明細は、インボイス制度の請求書等には当たりません(国税庁の質疑応答)。仕入税額控除を受けるには、お店から受け取った領収書やレシートの保存が必要です。

会計ソフトの機能を使う

すでにクラウド会計ソフトを使っている場合は、今の契約の中で経費の申請ができないかを先に確かめましょう。専用のアプリを追加で契約する前に、手元の契約を確かめるだけで済むことがあります。

たとえばマネーフォワード クラウドの法人向けプラン(ひとり法人・スモールビジネス・ビジネス)は、クラウド経費を含む12のサービスを月2,480円から使える料金です。

会計のために契約している場合、経費精算も同じ料金の中で使えます。

freee会計を使っている場合は、今のプランで経費の申請がどこまでできるかを、freeeのヘルプかサポートで確かめてください。会計ソフトそのものの選び方は、クラウド会計の比較でまとめています。

生成AIでレシートを表にする

ChatGPTやClaudeなどの生成AIに、レシートの画像から表を作らせる方法もあります。月の件数が少なければ、追加のツール費用をかけずに入力の手間を減らせます。

  1. 月末に集まったレシートをまとめてスマホで撮影する
  2. 生成AIに画像を添付し、下の指示文で表を作らせる
  3. 返ってきた表をExcelやGoogleスプレッドシートに貼り付ける
  4. 合計金額と枚数を、手元のレシートと突き合わせる
  5. 会計ソフトに取り込む

指示文は、たとえば次のように書きます。

添付したレシートの画像から、表を作ってください。
列は次の5つにしてください。日付/店名/金額(税込)/うち消費税/科目の候補
読み取れない項目は空欄にしてください。推測は入れないでください。
最後の行に合計金額を出してください。
CSV形式で出力してください。

手書きやかすれたレシートは、読み取れない項目が出ます。科目はあくまで候補なので、最後は自社の基準で決めてください。

社外の取引先名や金額をAIに渡すことになるため、どこまで渡してよいかは生成AIに社内データを渡していい範囲で決めておくと安心です。

久野

生成AIで作った表は、合計金額と枚数を手元のレシートと必ず突き合わせてください。読み取れなかった行は空欄で返ってくるので、そこだけ手で直せば済みます。

自社に合う方法の選び方

ここまでの方法を、会社の状況に合わせて選び分けます。紙の原本を捨てたい場合は、件数にかかわらず経費精算アプリが必要になります。

方法向いている会社
経費精算アプリ申請が月に数十件を超える。交通費の精算が多い。紙の原本を捨てたい。承認者が拠点ごとに分かれている
法人カード+会計ソフトの機能支出の多くが交際費・出張費・備品やツールの購入。立替をする社員が数名だけ
生成AI+スプレッドシート申請が月に数十件まで。承認は社長1人で済む。紙の領収書はファイルで保管してよい

10人以下の会社の多くは、「生成AI+スプレッドシート」か「法人カード+会計ソフトの機能」で、手間を十分に減らせます。まずは費用をかけずに試せる方法から始め、人数や件数が増えたら専用のアプリを検討するのがおすすめです。

導入前に決めておく運用ルール

どの方法を選ぶ場合も、仕組みを入れる前に決めておきたい運用のルールが二つあります。

  1. 精算の締め日:「○日を過ぎたら翌月の精算」と決め、例外を作らない
  2. 経費として認める範囲:迷いやすい支出について、認めるかどうかを一覧にして伝える

領収書の提出が遅れる原因は、ツールよりもルールのあいまいさにあることが多いです。締め日と認める範囲が決まっていないまま入れると、アプリでも同じ問い合わせが続きます。

認める範囲の一覧は、次のような短い表で十分です(記入例)。

支出扱い申請で書くこと
電車・バスの運賃認める経路と用件
タクシー代終電後と重い荷物があるときだけ認める乗った理由
取引先との飲食事前に社長の了承があれば認める相手の会社名と人数
私用を含む買い物認めない―

まとめ

この記事の要点
  1. 10人以下では単価より、最低利用料金・基本料金・定額プランといった契約の下限で月額が決まる
  2. 会計もまとめるならマネーフォワード クラウド経費、経費精算だけならジョブカンかinvoxが候補
  3. 件数が少なければ、法人カード・会計ソフトの機能・生成AIで済ませる方法もある

10人以下の会社で経費精算アプリを選ぶときは、1人あたりの単価よりも、自社の人数で実際にいくらになるかを先に計算してください。

そのうえで、レシートの読み取りや電子帳簿保存法の機能がオプションになっていないかを確かめると、契約後に「思ったより高い」となるのを防げます。

アプリを入れなくても、法人カードで立替をなくしたり、生成AIで入力を半分自動にしたりする方法で十分な会社もあります。自社の件数と目的に合わせて、無駄のない方法を選んでいきましょう。

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この記事を書いた人

1981年生まれ、名古屋出身。株式会社ニューロシンク代表。

2008年に渡独し、ベルリンで約18年間エンジニアとして活動。ドイツの国家資格である職業訓練プログラム「アプリケーション開発専門IT技術者」を修了後、医療系の自社開発企業でデスクトップ・Webアプリケーションの開発に4年間従事しました。2022年からはドイツの大手SIer「Adesso SE」で、フルスタックエンジニアとしてリードポジションを務めました。

2026年に日本へ帰国し、同年9月に株式会社ニューロシンクを設立。愛知・岐阜・三重の町工場を主な対象に、AI導入と業務システムの改善を支援しています。提案だけで終わらせず、工場に足を運んで一緒に手を動かす。そんな現場に立つAIエンジニアでありたいと考えています。

著書「AI時代の海外移住戦略」

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