業務システムの導入支援を行う当社の代表が、3つのサービスを実際に試しました。その上で行政書士事務所の目線からまとめています。
単なる機能比較ではなく、「どれが自分の事務所にもっとも適しているのか?」を判断するための記事です。
- 行政書士事務所に向くクラウド会計ソフトとその理由
- マネーフォワード・freee・弥生の料金とサポートの違い
- 個人事業主と法人で変わる料金プランの見方
- 無料お試しの期間と補助金を使った導入の進め方
結論:行政書士事務所にはマネーフォワードが向いている。
先に結論をお伝えします。行政書士事務所には、マネーフォワードクラウドの方が向いているケースが多いです。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、操作が従来の会計ソフトに近いことです。簿記の経験がある方であればほぼ覚え直さずに使い始められます。
2つ目は、会計・勤怠・給与・経費精算など12のサービスがまとめて使えることです。忙しい一人〜数名規模の事務所がバックオフィス全体をまとめて整備するのに向いています。
料金は個人事業主と法人で異なります。個人事業主なら年払いで月900円から、法人(ひとり法人プラン)なら年払いで月2,480円からです(税抜・2026年9月時点)。
ただし、顧問税理士がfreeeや弥生を使っている場合は、そちらのほうが合うことあります。まず会計だけ試したいという場合もfreeeが合うケースがあります。
迷ったら、まず顧問税理士が使っているソフトを確かめてください。税理士側に合わせる必要がなければ、操作が従来の会計ソフトに近いマネーフォワードから試すのがおすすめです。
この記事では、どちらが自分の事務所に合うかを判断するための軸を、実際に両方を使ってみた感想を交えながら整理していきます。
まずはマネーフォワード クラウドを1か月無料で試してみてください。
会計自動化ソフトを今すぐ体験 マネーフォワード クラウド会計行政書士事務所が会計ソフトで見るべき点
クラウド会計ソフトの比較記事は多く出回っていますが、業種を問わない汎用的な内容がほとんどです。行政書士事務所には、一般的な中小企業とは少し異なる条件があります。
- 経理専任がいない:所長自身や兼任スタッフが記帳する
- 顧問税理士とのデータを共有する:税理士側のソフトに合わせると楽になる
- 立替金が多い:申請手数料や証紙代などを依頼者の代わりに払う
- 法令対応が必須:インボイス制度と電子帳簿保存法に対応する
それぞれを詳しく説明します。
経理専任がいないケースが多い
行政書士事務所の多くは一人〜数名の規模です。記帳は所長自身や兼任スタッフが担うのが一般的です。
「使いこなせるか」よりも「すぐに使い始められるか」の方が重要な選定基準になります。案件の管理まで含めて見直したい方は、行政書士の案件管理ソフトの選び方も参考にしてください。
顧問税理士とのデータを共有する
税理士に記帳を任せている場合や、決算申告を依頼している場合は、税理士側が使っているソフトに合わせることでデータの受け渡しが楽になります。
これは後で詳しく述べますが、ソフト選びで最初に確認すべき項目です。
立替金の管理が発生する
行政書士の業務では、申請手数料や証紙代、登録免許税などを依頼者の代わりに支払う場面があります。
こうした立替金は、事務所の経費と分けて記帳する必要があります。仕訳の登録ルールや補助科目を使って、事務所の経費と混ざらないようにしておくと、請求漏れも防げます。
法令対応は必須
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は今や必須です。freeeもマネーフォワードも両対応済みですが、日常の運用のしやすさには差があります。
会計ソフトに取り込まないメールやPDFの保存については、会計ソフトに入れない電子取引データの保存先で整理しています。
マネーフォワード・freee・弥生の比較表
3つのソフトの違いを一つの表にまとめます。料金は2026年9月時点です。
| 比較項目 | マネーフォワード | freee | 弥生 |
|---|---|---|---|
| 操作感 | 従来の会計ソフトに近い | モダン・独自UI | 従来の会計ソフトに近い |
| 契約方式 | 12サービスのパッケージ | サービス個別契約 | ソフトごとの契約 |
| 向いている人 | 業務経験がある担当者 | デジタルツールに慣れた人 | ソフトごとの契約 |
| 個人事業主の最安(年払い・税抜) | 月900円 | 月980円 | 年11,800円 |
| 法人の最安 | 年払いで月2,480円(税抜) | 月払い5,480円 | 年34,800円(税抜) |
| 無料お試し | 1か月 | 30日間(法人向け) | 最大2か月(弥生会計 Next) |
| 確定申告・e-Tax | ◎ | ◎ | ◎ |
| 税理士との連携 | ◎ | ◎ | ◎ |
| スマホ対応 | ◎ | ◎ | ◎ |
| インボイス・電帳法対応 | ◎ | ◎ | ◎ |
表だけでは分かりにくい、サポートと確定申告の違いを補足します。
困ったときのサポート
一人事務所では、困ったときに問い合わせ先があるかどうかが、使い続けられるかに直結します。サポートの範囲はプランによって異なります。
- マネーフォワード クラウド(個人向け)
メール・チャットは全プラン。電話はパーソナルプラスのみ - freee会計(個人事業主向け)
スターターはチャット・メール。電話はプレミアム以上 - やよいの青色申告 オンライン
セルフはWebのFAQのみ。電話・メール・チャットはベーシック以上 - 弥生会計 Next
エントリーは有人サポートなし。電話はベーシックプラスのみ
電話で相談したい方は、電話サポートが付くプランの料金で比べてください。
確定申告まで一つのソフトで済ませる
開業直後の行政書士にとって、一番の関心事は確定申告です。3社とも、会計ソフトの中で確定申告書を作り、e-Taxで提出できます。
青色申告特別控除の65万円を受けるには、55万円控除の要件に加えて、次のどちらかを満たす必要があります。
- e-Taxで確定申告書・貸借対照表・損益計算書を期限内に送る
- 仕訳帳と総勘定元帳を、優良な電子帳簿の要件を満たして保存する
55万円控除の要件には、複式簿記での記帳や、貸借対照表・損益計算書の添付があります。会計ソフトで日々記帳し、そのままe-Taxで出せば、65万円控除を受けやすくなります。
詳しい要件は、国税庁の青色申告特別控除のページで確認できます。
料金は個人事業主か法人かで変わる
行政書士の多くは個人事業主として開業しています。この場合に選ぶのは、各社の「個人事業主向けプラン」です。
法人向けプランとは料金も機能も異なります。比較記事の料金が法人向けの金額になっていないか、確認してから読み比べてください。
個人事業主向けの料金
個人事業主向けの主なプランを並べます。料金は税抜・2026年9月時点です。
| ソフト | プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 無料お試し |
|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド | パーソナルミニ | 900円 | 1,280円 | 1か月 |
| マネーフォワード クラウド | パーソナル | 1,280円 | 1,680円 | 1か月 |
| freee会計 | スターター | 980円(年11,760円) | 1,780円 | 1か月 |
| freee会計 | スタンダード | 1,980円(年23,760円) | 2,980円 | 1か月 |
| やよいの青色申告 オンライン | セルフ | 約983円(年11,800円) | - | 初年度無料のキャンペーンあり |
| やよいの青色申告 オンライン | ベーシック | 1,900円(年22,800円) | - | 初年度無料のキャンペーンあり |
- マネーフォワード クラウドは、2026年12月に個人向けの料金体系の一部改定を予定しています(2026年9月時点の告知)。
個人事業主の方は、確定申告まで一つで済むマネーフォワード クラウドの個人向けプランから始められます。
個人事業主にとって必要な機能が搭載!【マネーフォワード クラウド】法人向けの料金
法人として開業している事務所や、これから法人化する事務所向けの最安プランです。料金は2026年9月時点です。
| ソフト | プラン | 年払い | 月払い | 無料お試し |
|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド | ひとり法人 | 月2,480円(税抜) | 3,980円(税抜) | 1か月 |
| freee会計 | スターター | 最大25%割引 | 5,480円(税抜) | 30日間 |
| 弥生会計 Next | エントリー | 年34,800円(税抜) | - | 最大2か月 |
- マネーフォワード クラウドは、2027年6月に法人向けの料金体系の一部改定を予定しています(2026年9月時点の告知)。
個人事業主から法人化するときは、法人向けプランへの切り替えが必要です。データの引き継ぎ方法は、各社の案内を確認してください。
各製品の特徴と使ってみた印象
当社の代表が実際に使って感じた点を、ソフトごとにまとめます。料金は前の節の表をご覧ください。
マネーフォワードクラウドの特徴と使ってみた印象
- 料金
- 月900円から(個人・年払い・税抜)
- 操作感
- 従来の会計ソフトに近い
- 契約方式
- 12サービスのパッケージ
- 向いている会社
- バックオフィスをまとめたい少人数の事務所
当社の代表が実際に使って感じた点と、料金をまとめます。
従来の会計ソフトに近い操作感
実際に使ってみて感じたのは、いい意味で普通だということです。簿記・会計の基礎知識がある方であれば、画面を開いた瞬間に「ああ、これか」と理解できる設計になっています。
派手さはありませんが、それが強みでもあります。覚えることも余計な操作も少ないため、忙しい事務所の日常業務に合わせやすいソフトです。

プランと料金
個人向けと法人向けでプランが分かれています。料金は税抜・2026年9月時点です。
| プラン | 対象 | 年払い(月額換算) | 月払い |
|---|---|---|---|
| パーソナルミニ | 個人 | 900円 | 1,280円 |
| パーソナル | 個人 | 1,280円 | 1,680円 |
| パーソナルプラス | 個人 | 2,980円 | 年払いのみ |
| ひとり法人 | 法人(経営者1名のみ) | 2,480円 | 3,980円 |
| スモールビジネス | 法人(利用者3名以下) | 4,480円 | 5,980円 |
| ビジネス | 法人(利用者4名以上) | 6,480円 | 7,980円 |
2026年12月に個人向け、2027年6月に法人向けの料金体系の一部改定が予定されています(2026年9月時点の告知)。
初期費用は0円です。クラウド会計・クラウド勤怠をはじめとする12のサービスをまとめて契約できます。一度の契約でバックオフィス全体を整えられるのは、忙しい事務所にとって大きなメリットです。
実際に便利だった機能
スマホ読み取り・OCR入力は便利です。領収書をスマホカメラで撮影するだけで瞬時にデータ化できます。外出先でも経費を処理できるようになりました。
インターネットバンキングとの自動連携も実用的です。口座明細が自動で取り込まれるため、記帳にかかる時間を大幅に削減できます。
マネーフォワード ビジネスカードを使うと、従業員の立て替え払いが不要になります。数名規模の事務所でも、経費精算の手間を減らせます。アプリの選び方は従業員10人以下の会社の経費精算アプリ比較で比べています。
freeeの特徴と使ってみた印象
- 料金
- 月980円から(個人・年払い・税抜)
- 操作感
- モダン・独自UI
- 契約方式
- サービス個別契約
- 向いている会社
- まず会計だけ試したい事務所
freeeも同じ観点で整理します。
スッキリした見た目とモダンなUI
freeeを開いた第一印象は「見た目がスッキリしていて使いやすそう」というものでした。デジタルツールに慣れた方には馴染みやすい、現代的なデザインです。
一点だけ正直にお伝えすると、操作中に別のタブが開くことが多い設計になっています。機能ごとに画面が分かれており、これを「整理されていて好き」と感じるか「行ったり来たりして使いにくい」と感じるかは人によります。
個人的には1つのタブで完結してくれる方が好みですが、これは完全に好みの問題です。

サービス構成と費用の考え方
freeeはマネーフォワードのようなパッケージ型ではなく、サービスを個別に選んで契約する方式です。主なサービスは以下のとおりです。
- freee会計
- freee人事労務
- freeeサイン(電子契約)
電子契約サービスの選び方は、中小企業の電子契約サービスの比較で比べています。
「まず会計だけ試したい」「必要なものから段階的に始めたい」という場合はfreeeの方が始めやすい構造です。個人事業主向けのfreee会計は、スターターが年払いで年11,760円(税抜・2026年9月時点)からです。
一方で、複数のサービスを使い始めると、月額費用がサービスごとに積み上がります。契約が増えてきたら、使っていないSaaSの棚卸しと解約のやり方を参考に見直してください。
弥生会計の特徴と使ってみた印象
- 料金
- 年11,800円から(個人・年払い・税抜)
- 操作感
- 従来の会計ソフトに近い
- 契約方式
- ソフトごとの契約
- 向いている会社
- 顧問税理士が弥生を使っている事務所
会計ソフトの比較では、弥生も候補に入ります。個人事業主向けは「やよいの青色申告 オンライン」、法人向けは「弥生会計 Next」です。
弥生会計 Nextは、エントリープランが年34,800円(税抜・2026年9月時点)です。無料お試しは最大2か月あります。
弥生は士業・専門サービス向けに、案件別の収支管理と、見積り・請求との連携を打ち出しています。
弥生が合うのは、次のような事務所です。
- 顧問税理士が弥生を使っている
- 電話で相談できるサポートを重視したい
- 案件ごとの収支を会計ソフトの中で見たい
顧問税理士が弥生を使っている場合や電話で相談したい場合は、最大2か月無料の弥生会計 Nextを試してください。
行政書士事務所はどちらを選ぶべきか
結論と例外、選ぶ前に確認することの順に説明します。
多くの行政書士事務所にはマネーフォワードをお勧めする理由
行政書士事務所の多くは一人〜数名規模で、経理専任のスタッフを置く余裕がありません。記帳は所長自身や兼任スタッフが担うことが多いです。
マネーフォワードは操作が従来の会計ソフトに近く、覚え直さずに使い始められます。
また、12のサービスをまとめて使える点も、バックオフィス全体をシンプルにまとめたい事務所に向いています。会計だけでなく、勤怠・給与・経費精算まで同じ仕組みで管理できるため、ツールが分散しません。
料金は、個人事業主なら年払いで月900円から、法人(ひとり法人プラン)なら年払いで月2,480円からです(税抜・2026年9月時点)。
ただし、freeeや弥生が向いているケースもある
次に当てはまる場合は、freeeや弥生の方が合うこともあります。
- 顧問税理士がfreeeや弥生を使っている
データ連携・共有が楽になるため、税理士側のソフトに合わせることを優先してください。 - まず会計だけ試したい
個別契約のfreeeの方が小さく始めやすい構造です。 - スッキリしたモダンなUIが好み
操作感の好みは人それぞれです。触ってみて「こちらの方が合う」と感じるならfreeeで問題ありません。 - 電話で相談したい
弥生は電話サポート付きのプランを選べます。
ソフトを選ぶ前に必ず確認してほしいこと
どれを選ぶにしても、先に一つだけ確認してください。
顧問税理士がいる場合は、まず税理士側がどのソフトを使っているかを確認してください。
税理士側に合わせると、データの受け渡しや連携が楽になります。ソフトの使いやすさよりも、税理士との連携を優先する方が、事務所全体の業務効率は上がりやすいです。
導入の進め方(無料お試しと補助金)
一度導入すると、乗り換えの手間が大きいソフトです。だからこそ、最初の選択が重要です。無料お試しと補助金を使って、負担を抑えながら始めてください。
まずは無料トライアルで触ってみる
無料お試しの期間は、マネーフォワード クラウドが1か月、freee会計が30日間、弥生会計 Nextが最大2か月です(2026年9月時点)。
一度導入すると、乗り換えの手間が大きいソフトです。だからこそ、最初の選択が重要です。気になるソフトがあれば、実際に操作してから決めてください。
会計ソフトは一度入れると乗り換えの手間が大きいので、無料お試しの期間に実際の記帳を少し試し、操作感が合うかを確かめてから決めてください。
- 無料の会計自動化ソフト マネーフォワード クラウド会計
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- freee会計(個人事業主向け)の料金と無料お試しはこちら
- freee会計(法人向け)の無料お試しはこちら
- 法人向けクラウド会計ソフト「弥生会計 Next」はこちら
補助金を活用して導入コストを抑える
マネーフォワード クラウドにもfreeeにも、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の対象となるプランがあります。登録されているITツールは、公式サイトのITツール検索で確認できます。
中小企業・小規模事業者であれば、導入費用の一部を補助してもらえる可能性があります。
行政書士事務所自身が、補助金の申請支援を業務にされているケースも多いかと思います。自事務所の導入時にも活用できますので、「支援する側」だからこそ見落とさないようにしてください。
補助金を使って導入した場合も、会計データを整理しておくと、自事務所の経営管理にそのまま役立ちます。
申請の要件・スケジュールは年度ごとに変わります。最新情報は公式サイトで確認してください。
クラウド会計ソフトでは解決できない業務課題をお持ちの場合
案件ごとの費用管理など、会計ソフトでは届かない部分は行政書士の案件管理ソフトの選び方で整理しています。freee・マネーフォワードと連携させる業務システムの構築は、当社にご相談ください。



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