行政書士事務所のクラウド会計ソフト比較|freeeとマネーフォワードどちらを選ぶべき?

業務システムの導入支援を行う当社の代表が、両サービスを実際に試した上で行政書士事務所の目線からまとめました。単なる機能比較ではなく、「どちらが自分の事務所に合うか」を判断するための記事です。


目次

結論:行政書士事務所にはマネーフォワードが向いている。ただし例外もある

先に結論をお伝えします。行政書士事務所には、マネーフォワードクラウドの方が向いているケースが多いです。

理由は大きく2つあります。1つ目は、「いい意味で普通の会計ソフト」という設計のため、簿記・業務の経験がある方であればほぼ学習コストなく使い始められること。2つ目は、会計・勤怠・給与・経費精算など12のサービスが月2,480円〜のパッケージで使えるため、忙しい一人〜数名規模の事務所がバックオフィス全体をまとめて整備するのに向いていることです。

ただし、顧問税理士がfreeeを使っている場合や、まず会計だけ試したいという場合はfreeeが合うこともあります。 この記事では、どちらが自分の事務所に合うかを判断するための軸を、実際に両方を使ってみた感想を交えながら整理していきます。


行政書士事務所が会計ソフトを選ぶ際の特有の条件

クラウド会計ソフトの比較記事は多く出回っていますが、業種を問わない汎用的な内容がほとんどです。行政書士事務所には、一般的な中小企業とは少し異なる条件があります。

経理専任がいないケースが多い

行政書士事務所は一人〜数名規模がほとんどで、所長自身や兼任スタッフが記帳を担うケースがほとんどです。「使いこなせるか」よりも「すぐに使い始められるか」の方が重要な選定基準になります。

顧問税理士とのデータ共有が発生する

税理士に記帳を任せている場合や、決算申告を依頼している場合は、税理士側が使っているソフトに合わせることでデータ連携がスムーズになります。これは後述しますが、ソフト選びで最初に確認すべき最重要項目です。

補助金申請支援との兼ね合い

補助金・助成金申請支援を業務にしている事務所では、顧客対応と自事務所の経費管理が混在しやすい状況があります。会計データを整理しておくことが、自事務所の経営管理にも直結します。

法令対応は必須

インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は今や必須です。freeeもマネーフォワードも両対応済みですが、日常の運用のしやすさには若干の差があります。


マネーフォワードクラウドの特徴と使ってみた印象

「令和のTHE・会計ソフト」という印象

実際に使ってみて感じたのは、いい意味で普通だということです。簿記・会計の基礎知識がある方であれば、画面を開いた瞬間に「ああ、これか」と理解できる設計になっています。派手さはありませんが、それが強みでもあります。「覚えることが少ない」「余計な操作が少ない」という意味で、忙しい事務所の日常業務にフィットしやすいソフトです。

プランと料金

プラン対象月額(税抜)
パーソナルプラン個人1,280円~
ひとり法人プラン経営者1名のみ2,480円〜
スモールビジネスプラン利用者3名以下4,480円〜
ビジネスプラン利用者4名以上6,480円〜

初期費用0円で、クラウド会計・クラウド勤怠をはじめとする12のサービスがパッケージになっています。一度契約するだけでバックオフィス全体をまとめて整備できる点は、忙しい事務所にとって大きなメリットです。

実際に便利だった機能

スマホ読み取り・OCR入力は特に便利です。領収書をスマホカメラで撮影するだけで瞬時にデータ化できます。外出先での経費処理が格段に楽になりました。

インターネットバンキングとの自動連携も実用的です。口座明細が自動で取り込まれるため、記帳にかかる時間を大幅に削減できます。

マネーフォワードビジネスカードを活用すると、従業員の立て替え払いが不要になります。数名規模の事務所でも経費精算の手間を減らせる点は見逃せません。


freeeの特徴と使ってみた印象

スッキリした見た目とモダンなUI

freeeを開いた第一印象は「見た目がスッキリしていて使いやすそう」というものでした。デジタルツールに慣れた方には馴染みやすい、現代的なデザインです。

一点だけ正直にお伝えすると、操作中に別のタブが開くことが多い設計になっています。機能ごとに画面が分かれており、これを「整理されていて好き」と感じるか「行ったり来たりして使いにくい」と感じるかは人によります。個人的には1つのタブで完結してくれる方が好みですが、これは完全に好みの問題です。

サービス構成と費用の考え方

freeeはマネーフォワードのようなパッケージ型ではなく、サービスを個別に選んで契約する方式です。主なサービスは以下のとおりです。

  • freee会計
  • freee人事労務
  • freeeサイン(電子契約)
  • freee販売
  • freee会社設立
  • freee勤怠管理Plus

「まず会計だけ試したい」「必要なものから段階的に始めたい」という場合はfreeeの方が始めやすい構造です。一方で、複数のサービスを使い始めると月額費用がサービスごとに積み上がっていく点には注意が必要です。


両者を並べた比較表

比較項目マネーフォワードfreee
操作感従来の会計ソフトに近いモダン・独自UI
契約方式12サービスのパッケージサービス個別契約
向いている人業務経験がある担当者デジタルツールに慣れた人
費用の積み上がり方月2,480円〜で12サービス込みサービスごとに課金が増える
税理士との連携
スマホ対応
インボイス・電帳法対応

行政書士事務所はどちらを選ぶべきか

多くの行政書士事務所にはマネーフォワードをお勧めする理由

行政書士事務所の多くは一人〜数名規模で、経理専任のスタッフを置く余裕がありません。所長自身や他業務を兼任するスタッフが記帳を担うことが多く、「いい意味で普通」なマネーフォワードの操作感は、余計な学習コストをかけずにすぐ使い始められるという点で優れています。

また、月2,480円〜で12サービスがパッケージになっている点も、バックオフィス全体をシンプルにまとめたい事務所には向いています。会計だけでなく、勤怠・給与・経費精算まで同じプラットフォームで管理できるため、ツールが分散しません。

ただし、freeeが向いているケースもある

以下に当てはまる場合は、freeeの方が合うこともあります。

  • 顧問税理士がfreeeを使っている:データ連携・共有がスムーズになるため、税理士側のソフトに合わせることを最優先にしてください
  • まず会計だけ試したい:個別契約のfreeeの方が小さく始めやすい構造です
  • スッキリしたモダンなUIが好み:操作感の好みは人それぞれです。触ってみて「こちらの方が合う」と感じるならfreeeで問題ありません

ソフトを選ぶ前に必ず確認してほしいこと

どちらを選ぶにしても、1つだけ先に確認していただきたいことがあります。顧問税理士がいる場合は、まず税理士側がどちらのソフトを使っているかを確認してください。 税理士側に合わせることで、データの受け渡しや連携がスムーズになります。ソフトの使いやすさよりも税理士との連携効率を優先した方が、結果的に事務所全体の業務効率が上がるケースが多いです。


補助金を活用して導入コストを抑える

マネーフォワードクラウドもfreeeも、IT導入補助金(2026年現在:デジタル化・AI導入補助金)の対象ソフトです。中小企業・小規模事業者であれば導入費用の一部を補助してもらえる可能性があります。

行政書士事務所自身が補助金申請支援を業務にされているケースも多いかと思いますが、自事務所の導入時にも活用できます。「支援する側」として補助金に詳しいからこそ、見落としがちなポイントです。申請の要件・スケジュールは年度ごとに変わるため、最新情報を公式サイトで確認することをお勧めします。


まずは無料トライアルで実際に触ってみてください

どちらのソフトも1ヶ月の無料トライアルが用意されています。一度導入すると乗り換えコストが大きいソフトだからこそ、最初の選択が重要です。この記事を読んで「どちらか気になる」と思われた方は、ぜひ実際に操作してから決めてください。


クラウド会計ソフトでは解決できない業務課題をお持ちの場合

クラウド会計ソフトは経理・バックオフィスの効率化に非常に有効ですが、「自社独自の業務フロー」「既存システムとのデータ連携」「業種特有の管理機能」には対応しきれないケースも少なくありません。

たとえば「freeeで会計は管理しているが、案件ごとの費用管理は別途Excelで行っている」「マネーフォワードと自社の顧客管理システムをうまく連携させたい」といったご相談を当社ではよくいただきます。

既製SaaSの届かない部分を補う業務システムの開発や、freee・マネーフォワードと連携したカスタムシステムの構築に興味がある方は、お気軽にご相談ください。

当社へのお問い合わせはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1981年生まれ、名古屋出身。
2008年より17年間ドイツ・ベルリンに在住。
ドイツの職業訓練プログラムを修了後、複数のIT企業でフルスタックエンジニアとして経験を積む。2022年よりドイツの大手システム開発会社で、リードエンジニアとして勤務する。小売・医療・メディアなど異なる業種に携わる。2026年6月株式会社Neurosynchを設立。2027年、日本に帰国予定。
著書「AI時代の海外移住戦略

コメント

コメントする

目次