小さな工務店の施工管理アプリ比較|工程管理・写真共有・料金で選ぶ

工程表を作っても、現場に正しく伝わらなければ意味がありません。そう考えて施工管理アプリを探し、比較記事を開くと、20近い製品が並んでいることがよくあります。

その中にはゼネコン向けの製品と一人親方向けの製品が同じ表に並んでいて、料金の仕組みも分かりにくいものです。この記事では、社員10人以下の工務店や専門工事業に絞って、工程管理に使うアプリの選び方を整理します。

先に答えをお伝えすると、小さな会社が最初に比べるべきなのは機能の数ではありません。「協力会社を何人招待すると料金が増えるか」と「自社アカウントの最低数」です。

協力会社を無料で何人でも招待できる製品がある一方で、1人ごとに料金がかかる製品もあります。また、社員が3人でも10アカウント分の料金がかかる製品もあるため、ここが小さな会社にとっての分かれ目になります。

料金・仕様は2026年9月時点の公式情報です。

なお、この記事は工務店の工程と現場の管理を扱います。製造業の工程管理(生産管理)を探している方は、中小製造業向けの生産管理システム比較をご覧ください。

この記事で分かること
  • 施工管理アプリ7つの料金の仕組みと、無料で試せる範囲
  • 協力会社の人数と自社の最低アカウント数で、月額がどう変わるか
  • 現場の操作性・協力会社に見せる範囲・電子小黒板の確かめ方
  • 協力会社まで定着させる導入の進め方
目次

施工管理アプリの比較表

先に、この記事で紹介する7つの製品を表にまとめます。月額の単価より先に、「自社の最低アカウント数」と「協力会社の扱い」の二つの列を見てください。

スクロールできます
製品料金の公開自社の最低アカウント数協力会社の扱い向いている会社
ANDPAD見積り(初期費用・月額費用・オプション費用)何人からでも利用できる公式の料金ページに記載なし。見積りで確かめる原価・受発注まで一つにまとめたい
KANNA見積り(初期費用・サポート費用は0円)ライト10、ベーシック20、エンタープライズ25から他社アカウントは全プランで無制限工程と写真の共有から始めたい
ダンドリワーク問い合わせて見積り公式で確かめられず協力会社説明会あり。料金の扱いは見積りで確かめる協力会社への定着まで任せたい
蔵衛門公開(プレミアムは3メンバーまで年額64,800円・税抜など)エンタープライズは11名からフリーは工事に追加できるメンバーが無制限公共工事の写真と台帳が中心
現場ポケット公開(年間契約で月13,500円・税抜)定額でID数は無制限協力業者も自由に登録できる協力会社が多く、料金を固定したい
サクミル公開(月9,800円から・税別、20アカウントまで)20アカウントまで定額協力業者も登録すれば担当現場を見られる見積り・請求まで安くまとめたい
kintone公開(1ユーザー月1,000円から・税抜)ライト・スタンダードは10ユーザーからゲストユーザーは1人月700円から(税抜)自社の流れに合わせて作りたい

料金を公開しているのは、蔵衛門・現場ポケット・サクミル・kintoneの4つです。ANDPAD・KANNA・ダンドリワークは見積りなので、問い合わせる前に聞くことを決めておきましょう。

「施工管理アプリを無料で使いたい」という方のために、無料で試せる範囲も表にしました。

製品無料で試せる範囲
ANDPAD無料トライアルは行っていない(個別のデモ会あり)
KANNA無料で基本機能を試せる
ダンドリワーク公式サイトで無料トライアルの記載を確かめられず
蔵衛門フリープランは0円(参加できる工事は1つ、撮影した写真に広告)。プレミアムの全機能を最大2か月無料で試せる
現場ポケット料金ページで無料お試しを案内(期間は問い合わせ)
サクミル2か月の無料トライアル。終わっても自動で課金されない
kintone30日間無料で試せる
久野

無料で試すときは、社長ではなく、社内で一番スマホに慣れていない人と協力会社の職人さん一人に触ってもらってください。定着するかどうかは、その二人が迷わず使えるかで決まります。

アプリで何を管理するかを先に決める

アプリを選ぶ前に、今の現場で何が起きているのかを整理しておきましょう。小さな工務店の工程管理がうまくいかない原因は、多くの場合次の三つです。

  1. 工程表を直せる人が一人しかいない:Excelで作った工程表は、作った本人しか直せない状態になりがちです。印刷やPDFで配ると、相手の手元のものが最新かどうかも分からなくなります。
  2. 変更の連絡がチャットに流れて残らない:LINEなどのチャットは連絡が早い反面、やり取りが流れていきます。3日前の現場写真を探すのに履歴をさかのぼり、「言った・言わない」のときに根拠を示せません。
  3. 入力が現場監督任せになっている:監督がすべての情報を入力する運用にすると、監督の負担だけが増えます。導入前より忙しくなり、アプリが定着しません。

最初からすべての業務をアプリに入れようとすると、導入はうまくいきません。管理したい範囲を、工程・現場の記録・原価の三つに分けて考えます。

範囲管理するもの始める時期
工程誰が・いつ・どの現場に入るか(工程表、日程の変更、職人の割り当て)最初に
現場の記録写真・日報・図面・指示のやり取り工程に慣れたら
原価発注・出来高・支払い最後でよい

最初に手を付けるのは工程と現場の記録の二つです。最初から原価まで一度に管理しようとすると、入力の負担が増えて現場がついてこなくなります。

工務店の原価や見積りの管理は、こちらの記事で比べています。

料金の仕組みを先に確かめる

多くの比較記事は機能の多さを並べますが、小さな会社が最初に確かめるべきなのは料金の仕組みです。月額がどこで増えるかは、製品によって大きく違います。

協力会社の人数で料金が変わるか

アプリを入れると、画面を見る人の多くは協力会社の職人さんです。そのため、協力会社を招待するたびに料金が増えるかどうかを、最初に確かめておく必要があります。

公式の料金ページで確かめると、扱いは製品によって次のように分かれます。

  • 何人招待しても変わらない:KANNA(他社アカウントは全プランで無制限)、現場ポケット(ID数無制限で、協力業者も自由に登録できる)
  • 無料プランならメンバー無制限:蔵衛門のフリープラン(参加できる工事は1つ)
  • 1人ごとに料金がかかる:kintone(ゲストユーザーは1人月700円から・税抜)
  • 見積りで確かめる:ANDPAD、ダンドリワーク

協力会社が5社でも20社でも月額が変わらない製品なら、関わる業者を最初から全員招待できます。kintoneのように人数分の料金がかかる製品では、協力会社とのやり取りを別のツールに分けるなどの工夫が必要です。

自社の最低アカウント数を確かめる

気を付けたいのは、自社側のアカウント数です。製品によっては、自社アカウントに最低の数が決まっています。

KANNAの場合、ライトプランは自社10アカウントから、ベーシックは20から、エンタープライズは25からです。社員3人の会社がライトプランを契約しても、10アカウント分の月額がかかります。

kintoneのライト・スタンダードコースも10ユーザーからで、蔵衛門のエンタープライズプランは11名からの契約です。1アカウントあたりの単価が安く見えても、支払う総額は人数の割に大きくなることがあります。

また、KANNAのように、必要な機能のために上位のプランへ変えると、最低アカウント数も上がる製品があります。「使いたい機能」と「そのプランの最低アカウント数」は、必ず一緒に確かめてください。

定額で人数に上限がない現場ポケットや、20アカウントまで定額のサクミルは、最低数の心配が少ない製品です。人数が少ない会社ほど、この違いが月額に大きく出ます。

料金を公開していない製品の見積りの取り方

ANDPAD・KANNA・ダンドリワークは、公式サイトに月額を載せていません。ANDPADの料金ページでは、料金は初期費用・月額費用・オプション費用の三つで構成されると案内しています。

見積りを頼むときは、次の表のように聞くことを先に書き出しておくと、製品どうしを同じ条件で比べられます。

聞くこと聞き方記入例
自社の最低アカウント数社員が何人なら、何アカウント分の料金になるか社員4人で10アカウント分
協力会社の扱い協力会社を招待すると料金が増えるか何社でも追加料金なし
初期費用導入時にかかる費用と、その中身初期設定とレクチャーで〇円
使いたい機能のプラン工程表と写真の共有だけなら、どのプランか一番下のプランで足りる
オプション電子小黒板や容量の追加は別料金か電子小黒板はオプション

人数は切り上げずにそのまま伝え、協力会社のおおよその社数も伝えましょう。単価だけを聞いていると、実際の請求額と大きくずれることがあります。

ANDPADは、IT導入補助金の対象になっていると公式のよくある質問で案内しています。補助金を使いたい場合は、見積りのときに一緒に確かめてください。

料金の次に確かめる選び方

料金の仕組みが分かったら、次の四つを確かめます。どれも、無料で試せる期間やデモで確かめられることです。

現場の人が迷わず操作できるか

アプリを開いてから、3画面ほどで目的の操作にたどり着けるかが目安です。無料で試せる期間に、実際の現場で使ってみてください。

手袋をしたまま操作できるか、屋外の日差しの下でも画面が見やすいか、電波の悪い場所でも使えるかは、カタログでは分かりません。

操作性を判断するのは経営者ではなく、社内で一番ITが苦手な職人やスタッフです。その人が一人で写真を上げられれば、ほかの人も使えます。

協力会社に見せる範囲を分けられるか

協力会社を無料で招待できる製品は、気軽に招待できる分、協力会社に見える情報の範囲を確かめておく必要があります。

招待した協力会社が、自社が関わる現場だけを見られるのか、すべての現場が見えてしまうのかは大きな違いです。すべて見える場合は、ほかの現場の情報や金額・単価が伝わってしまうおそれがあります。

  • 試用の期間に、協力会社役のアカウントを一つ作る
  • そのアカウントで入り、関係のない現場が見えないかを確かめる
  • 見積りや金額の画面が協力会社から見えないかを確かめる

現場ごとに見せる範囲を設定できるかを、契約の前に確かめておきましょう。

公共工事なら電子小黒板に対応しているか

公共工事を受ける場合は、電子小黒板に対応しているかを確かめます。電子小黒板は、工事用の小黒板の内容を写真に電子的に書き込む仕組みで、撮影後に写真が不適切に直されていないかを確かめられます。

2017年1月に国土交通省で利用が認められ、今ではほぼすべての公共機関で使えるようになりました。

一方で、民間の工事だけを扱う工務店なら、電子小黒板は必須ではありません。KANNAのように電子小黒板がオプション料金の製品もあるため、要らない機能に費用を払わないよう注意しましょう。

電子小黒板の要件は改定されることがあります。公共工事を受けるときは、発注者の仕様書と、国土交通省の最新の基準を確かめてください。

見積り・請求のソフトと二重入力にならないか

施工管理アプリの中には、見積り作成や請求管理の機能まで持つものがあります。すでに別の会計ソフトや見積りソフトを使っている場合は、同じ内容を二つのソフトに入力することにならないかを確かめます。

連携できない場合でも、無理に一つのアプリにまとめる必要はありません。工程と写真の共有だけを新しいアプリに任せるという使い方でも、十分に効果があります。

小さな工務店向けの施工管理アプリ

ここからは、小さな工務店が候補にしやすい7つの製品を、性格ごとに紹介します。すべての製品を網羅するのではなく、社員10人以下の会社が検討しやすい製品に絞りました。

ANDPAD:業務全体を一つにまとめる

料金
見積り(初期費用・月額費用・オプション費用の三つ)
無料お試し
無料トライアルは行っていない(個別のデモ会あり)
協力会社の扱い
公式の料金ページに記載なし。見積りで確かめる
向いている会社
原価や受発注まで一つのシステムにまとめたい会社
利用社数27.9万社原価・受発注までIT導入補助金の対象

ANDPAD(アンドパッド)は、公式サイトで利用社数27.9万社・81.8万人、シェアNo.1とうたう施工管理アプリです。管理できる範囲の広さが特徴です。

施工管理・チャット・図面・黒板・検査のほか、引合粗利管理、受発注、請求管理、電子納品などの製品がそろっています。工程表・図面・現場写真をまとめて管理し、スマホやタブレットから最新の状態を確かめられます。

料金は初期費用・月額費用・オプション費用の三つで、月額は見積りです。何人からでも利用でき、アカウント数による機能の制限はないと公式で案内しています。

将来は原価管理までシステムにしたい会社や、複数の現場の数字をまとめて見たい経営者に向いています。利用者が多いため、協力会社がすでに使い慣れていることもあります。

工程表の共有と写真の管理だけが目的なら、使わない機能にも費用を払うことになります。無料トライアルはないため、個別のデモ会で必要な範囲を確かめてから見積りを取りましょう。

KANNA:無料で試せて協力会社は無制限

料金
見積り。初期費用・サポート費用は0円。自社アカウントはライト10・ベーシック20・エンタープライズ25から
無料お試し
無料で基本機能を試せる
協力会社の扱い
他社アカウントは全プランで無制限
向いている会社
操作の分かりやすさを重視し、工程と写真の共有から始めたい会社
他社アカウント無制限初期費用0円電子小黒板はオプション

KANNA(カンナ)は、株式会社アルダグラムが提供する施工管理アプリです。公式サイトでは、無料で基本機能を試せると案内しています。

案件の一覧やカレンダーで工程を管理し、写真を選ぶだけで報告書を作れます。チャットでのやり取りもアプリの中でできます。

料金ページで、自社アカウントの最低数と、他社アカウントが無制限であることが公開されているのも比べやすい点です。初期導入費用とサポート費用は無料で、月額は見積りです。

ライトプランは自社10アカウントから、ベーシックは20、エンタープライズは25からです。社員が数人の会社でも10アカウント分の料金になり、上のプランに変えると最低数も上がります。

原価管理や経営の数字をまとめる用途では、ANDPADのような総合型の製品に比べて範囲が狭くなります。工程と現場の記録の共有から始め、必要になったら広げる導入に向いています。

ダンドリワーク:協力会社への定着を支える

料金
問い合わせて見積り
無料お試し
公式サイトで記載を確かめられず
協力会社の扱い
協力会社説明会あり。料金の扱いは見積りで確かめる
向いている会社
社内にIT担当者がおらず、協力会社への説明まで任せたい会社
利用社数10万社協力会社説明会チャットで24時間受付

ダンドリワークは、公式サイトで利用社数100,000社・ユーザー数170,000人とうたう施工管理アプリです。機能よりも、導入と定着の支援に力を入れているのが特徴です。

公式サイトでは、協力会社との関係づくりを掲げ、協力会社説明会を案内しています。チャットでの質問は24時間365日受け付けています。

機能は、最新の工程表の共有、現場で撮った写真のその場でのアップロード、現場ごとの図面・資料の一元管理などです。図面や資料をまとめておけば、個別に連絡する手間を減らせます。

社内にIT担当者がいない工務店に向いています。施工管理アプリの導入は、入れることより協力会社に使ってもらうことのほうが難しいため、その説明を自社だけで背負わずに済むのは大きな利点です。

料金は問い合わせて見積りを取る必要があります。協力会社の招待で料金が増えるかも、見積りのときに確かめてください。

蔵衛門:工事写真と台帳を整理する

料金
フリー0円。プレミアムは3メンバーまで年額64,800円(税抜・月あたり5,400円)から。エンタープライズは11名から
無料お試し
プレミアムの全機能を最大2か月無料
協力会社の扱い
フリーは工事に追加できるメンバーが無制限(参加できる工事は1つ)
向いている会社
公共工事を受け、写真の整理と台帳作りの負担が大きい会社
電子小黒板に対応台帳の自動作成フリープランあり

蔵衛門(くらえもん)は、株式会社ルクレが提供する工事写真の管理製品です。公式サイトでは導入企業数80,000社・利用ユーザー数830,000人としています。

撮影アプリの「蔵衛門カメラ」、写真台帳を作るパソコンソフト「蔵衛門御用達」、写真や図面をどこからでも見られる「蔵衛門クラウド」を組み合わせて使います。

電子小黒板入りの写真の撮影から、台帳の自動作成、電子納品の出力までを一つの流れで進められます。

料金を公開しているのも特徴です。フリープランは0円で、参加できる工事は1つですが、工事に追加できるメンバーは無制限です。

有料のプレミアムは、メンバー数に応じたパックで、3メンバーまでなら年額64,800円(税抜)です。プレミアムの全機能を最大2か月無料で試せます。

公共工事を受けていて、写真の整理と台帳作りの負担が大きい工務店なら、蔵衛門から入れるのが近道です。一番時間を取られている業務から減らせます。

写真の管理を中心に作られた製品です。トーク(チャット)の機能はありますが、工程表を協力会社と細かく共有したい場合は、ほかの製品と比べて確かめてください。

現場ポケット:定額で人数の上限がない

料金
年間契約で月13,500円(税抜)、月額契約で月15,000円(税抜)。初期サポート費用は要相談
無料お試し
料金ページで無料お試しを案内(期間は問い合わせ)
協力会社の扱い
ID数無制限。協力業者も自由に登録できる
向いている会社
協力会社が多く、月額を人数で変えたくない会社
ID数無制限の定額現場数・容量も無制限料金を公開

現場ポケットは、塗料メーカーのアステックペイントが開発・運用している施工管理アプリです。ID数・データ容量・現場数に上限がない定額制で、料金を公開しています。

料金は、年間契約なら月13,500円(税抜)、月額契約なら月15,000円(税抜)です。料金ページでは、下請けの会社や協力業者も、自由にユーザーとして登録できると案内しています。

機能は、工程表、写真管理、日報・報告書の作成、案件管理、トーク、顧客管理です。工程と現場の記録の共有という、最初に手を付けたい範囲がそろっています。

協力会社が多い工務店ほど、定額の利点が大きくなります。社員が少なくても最低アカウント数を気にしなくてよい点も、小さな会社に向いています。

サクミル:見積り・請求まで安くまとめる

料金
月9,800円から(税別)、20アカウントまで含む。初期費用0円
無料お試し
2か月の無料トライアル。終わっても自動で課金されない
協力会社の扱い
協力業者も登録すれば担当現場を見られる(アカウントの数え方は確かめる)
向いている会社
見積り・請求・原価までを一つのアプリで安くまとめたい会社
20アカウントまで定額見積り・請求まで2か月無料

サクミルは、株式会社プレックスが提供する施工管理アプリです。月9,800円(税別)から、20アカウントまで含む定額の料金を公開しています。

顧客管理・案件管理・写真・スケジュール・作業日報のほか、見積り、実行予算と原価、請求、工事台帳、出面、発注・仕入れの管理まで、追加料金なしですべての機能を使えるとしています。

作業日報はスマホで入力でき、日報のために事務所へ戻る必要がありません。アルバイトや協力業者も、登録すれば担当する現場を確かめられます。

協力業者を登録したとき、20アカウントの中に数えるかどうかは、公式サイトで確かめられませんでした。協力会社が多い場合は、無料トライアルの間に確かめてください。

kintone:自社の流れに合わせて作る

料金
ライト1ユーザー月1,000円、スタンダード月1,800円(税抜)。ライト・スタンダードは10ユーザーから
無料お試し
30日間無料
協力会社の扱い
ゲストユーザーとして招待でき、1人月700円(ライト)・1,440円(スタンダード)、税抜
向いている会社
自社独自の工程や管理の区分に合わせて、社内の管理を作りたい会社
ノーコードで作れる10ユーザーからゲストは有料

kintone(キントーン)は、サイボウズが提供する、業務のアプリを自分たちで作れるクラウドサービスです。自社独自の工程の順番や管理の区分を、そのまま形にできるのが利点です。

現場での呼び方や、社内だけの管理の決まりなど、既製の施工管理アプリでは合わせにくいルールにも対応できます。ただし、アプリを作るには相応の時間と知識が必要です。

料金の仕組みは、施工管理アプリと大きく違います。

ライト・スタンダードコースは10ユーザーからの契約で、協力会社をゲストユーザーとして招待すると、1人ごとに月700円(ライト)・1,440円(スタンダード、いずれも税抜)がかかります。

また、kintoneは業務のアプリを作るための道具で、工事写真の撮影や電子小黒板のための専用の製品ではありません。

協力会社の職人さんを全員招待すると、その人数分の費用が増えます。社内の管理に用途を絞り、協力会社とのやり取りは別のツールで行う使い方を前提に考えましょう。

導入で失敗しない進め方

アプリ選びと同じくらい大切なのが、導入の進め方です。よくある失敗と対策を先に知っておきましょう。

新しく始まる現場を一つだけ選ぶ

進行中のすべての現場に一度に入れると、現場が混乱します。まずは新しく始まる現場を一つだけ選び、小さく始めてください。

その現場が終わるまでは、ほかの現場は今までのやり方(Excelや紙)のままで構いません。

Excelとの二重運用に期限を決める

移る途中で、一時的にExcelとアプリの両方を使うのは避けられません。ただし、「〇月〇日までに移り終える」という期限を必ず決めてください。

期限がないと二重の運用が当たり前になり、「やはりExcelのほうが慣れていて早い」と元に戻ってしまいます。

協力会社には画面を見せて説明する

招待のメールを突然送っても、職人さんはアプリを開いてくれません。朝礼などで実際のスマホの画面を見せながら、3分ほど口で説明しましょう。

「ここに最新の工程表が入ります。ここだけ見てもらえれば大丈夫です」と、見る場所を一つに絞って伝えるのがポイントです。

協力会社を無料で招待できる製品なら、関係する業者は最初から全員招待します。一部だけを招待すると、LINEや電話の連絡が残り、連絡が二重になります。

久野

協力会社への説明では、機能を全部見せる必要はありません。「工程表はここ、写真はここ」の二か所だけ伝えれば、最初は十分です。

個人のLINEでの業務連絡をどう移すかは、ビジネスチャットの比較でも整理しています。

入力を現場監督一人に任せない

写真のアップロードや日報の入力を、すべて監督が行う運用にすると、効率化どころか監督の負担が増えます。職人さん自身が現場で写真を上げられる運用を目指しましょう。

最初は「写真を1枚上げる」だけでも構いません。入力する人が増えるほど、監督が事務所に戻って書く作業が減ります。

使う範囲を広げる順番

アプリを無理なく定着させるために、次の順番で少しずつ広げることをおすすめします。

  1. 新しく始まる現場を一つ選ぶ
  2. まずは工程表の共有だけをアプリに移す
  3. 慣れてきたら写真の共有を足す
  4. その現場に関わる協力会社を全員招待する
  5. 日報や作業の報告のやり取りをアプリに移す
  6. 必要になったら、原価の管理などへ範囲を広げる

焦らず3か月ほどかけて移るつもりで進めましょう。急いで全体に広げようとするほど、定着せずに元のやり方へ戻りやすくなります。

アプリに記録がたまったあとの自動化(日報の集計や発注の下書きなど)は、業務自動化でできること一覧で紹介しています。施主や協力会社との打ち合わせの日程は、日程調整ツールの比較も参考にしてください。

まとめ

この記事の要点
  1. 施工管理アプリは、月額の単価より先に「協力会社の人数で料金が増えるか」と「自社の最低アカウント数」で比べる
  2. 無料で試す期間に、社内で一番ITが苦手な人と協力会社の職人さんに触ってもらい、見える範囲も確かめる
  3. 新しく始まる一つの現場で、工程表の共有から始め、3か月ほどかけて広げる

社員10人以下の工務店なら、協力会社を無制限に招待できるKANNAや現場ポケット、見積り・請求までまとめたいならサクミル、公共工事の写真が中心なら蔵衛門が候補になります。

料金を公開していない製品は、表の記入例のように聞くことを決めてから見積りを取りましょう。

アプリを入れる目的は、高機能なツールを入れることではありません。工程表を作った本人以外でも、現場の情報をその場で直し、共有できる仕組みをつくることです。

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この記事を書いた人

1981年生まれ、名古屋出身。株式会社ニューロシンク代表。

2008年に渡独し、ベルリンで約18年間エンジニアとして活動。ドイツの国家資格である職業訓練プログラム「アプリケーション開発専門IT技術者」を修了後、医療系の自社開発企業でデスクトップ・Webアプリケーションの開発に4年間従事しました。2022年からはドイツの大手SIer「Adesso SE」で、フルスタックエンジニアとしてリードポジションを務めました。

2026年に日本へ帰国し、同年9月に株式会社ニューロシンクを設立。愛知・岐阜・三重の町工場を主な対象に、AI導入と業務システムの改善を支援しています。提案だけで終わらせず、工場に足を運んで一緒に手を動かす。そんな現場に立つAIエンジニアでありたいと考えています。

著書「AI時代の海外移住戦略」

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