「夜中の問い合わせ、誰が対応するの?」
夜中に利用者のご家族からLINEが来たけど、担当者が気づかなかった。翌朝に返信したら「心配で眠れなかった」と言われた。
訪問介護の現場では、こういったことが日常的に起きています。24時間365日、誰かが問い合わせに対応し続けることは、人手不足が深刻な今の状況では現実的ではありません。
そこで当社では、LINEで届いた問い合わせをAIが自動で読み取り、返答を生成して送り返す仕組みをデモ実装しました。
実際にどんな動きをするのか
利用者やご家族がLINEでメッセージを送ると、数秒後にAIからの返信が届きます。
ご家族:「訪問介護のサービス内容を教えてください」
AI:「こんにちは。訪問介護事業所のAIアシスタントです。
当事業所では、身体介護(入浴・食事・排泄のサポート)と
生活支援(掃除・洗濯・買い物のサポート)を提供しております。
詳しいご相談は担当者にお繋ぎすることもできます。
お気軽にお申し付けください。」
深夜0時でも、土曜日でも、同じ品質で返答が届きます。
同時に、問い合わせ内容とAIの返答がデータベースに自動で保存されます。担当者は翌朝に管理画面で一覧確認でき、複雑な相談だけ人が対応する流れを作れます。
導入前後で何が変わるのか
導入前:担当者が全件手動で対応している現状
現在の問い合わせ対応は、ご家族からLINEが届くたびに担当者が内容を確認し、返信文を考えて送り、対応内容を記録するという一連の作業を人の手で行っています。深夜や休日でも通知が来れば気を抜けず、担当者の精神的な疲弊につながっています。

ご家族がLINEで問い合わせる → 担当者が気づく(夜間・休日も対応が必要)→ 内容を確認・判断(毎回手動)→ 返信文を作成(毎回ゼロから記述)→ LINEで返信(数時間後になることも)→ 対応内容を紙やExcelに手入力
この運用の問題点は3つです。夜間・休日も担当者が対応しなければならないこと、返信までに時間がかかりご家族を不安にさせること、記録が属人化して引き継ぎが難しいことです。
導入後:AIが一次対応を担い、担当者は複雑なケースだけに集中
AIを導入すると、この流れが大きく変わります。ご家族からLINEが届いた瞬間にAIが内容を読み取り、数秒以内に返信を送ります。同時に対応内容がデータベースに自動保存されます。担当者が動くのは「緊急性が高い・AIでは判断できない」と分類されたケースだけです。

ご家族がLINEで問い合わせる → AIが24時間即時受信 → AIが問い合わせを分類 → 定型的な質問はAIが数秒以内に自動返信・DBに自動保存 → 複雑・緊急なケースは担当者へアラート
月間200件の問い合わせのうち約160件(80%)をAIが自動対応し、担当者は残り40件の複雑なケースだけに集中できます。
AIに任せていい問い合わせ・任せてはいけない問い合わせ
AIへの移行で多くの経営者が不安に感じるのが「AIが間違った答えを返してしまわないか」という点です。この不安は正当で、設計次第でリスクが大きく変わります。
当社が構築するシステムでは、問い合わせの内容をAIが自動分類して対応を振り分けます。
AIが自動対応できる問い合わせは以下のものです。
- サービス内容・対応エリアについての質問
- 料金・費用に関する基本的な質問
- 訪問日時・担当ヘルパーの確認
- 緊急ではない体調の変化の報告受付
- 書類・手続きに関する一般的な質問
一方で「ヘルパーが来なかった」「体調が急変した」といった緊急性・クレーム性の高い内容は、AIが「担当者に確認してご連絡します。しばらくお待ちください」と返答したうえで、担当者にアラートを送ります。AIが判断できない場合は必ず人につなぐ設計です。
この「AIが対応する範囲」はヒアリングをもとに事業所ごとにカスタマイズします。「この質問だけは必ず人が対応したい」というご要望にも対応できます。
30人規模の事業所に導入した場合、年間いくら削減できるか
「費用対効果はどのくらいか」という点が最も気になるところだと思いますので、具体的に試算してみます。
削減できる工数
30人規模の事業所で発生する問い合わせ件数を以下のように想定します。
| 問い合わせ種別 | 月間件数 | 1件あたりの対応時間 | 月間合計時間 |
|---|---|---|---|
| サービス内容・料金の質問 | 60件 | 5分 | 5時間 |
| シフト・訪問日時の確認 | 80件 | 5分 | 6.7時間 |
| 緊急でない相談・連絡 | 40件 | 10分 | 6.7時間 |
| 夜間・休日の問い合わせ | 20件 | 15分 | 5時間 |
| 合計 | 200件 | 約23時間 |
このうちAIが自動対応できる割合を70〜80%と想定すると、月間16〜18時間分の工数が削減できます。
金額換算
厚生労働省のデータによると、2024年度のサービス提供責任者(通称「サ責」。訪問介護計画の作成やヘルパーの管理を担う現場責任者)の平均給与は月給367,190円です。時給換算すると約2,300円になります。
削減工数:月16〜18時間
時給換算:約2,300円
削減人件費:月37,000〜41,000円
年間削減額:約44万〜49万円
導入・運用にかかる費用
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 初期導入費(当社) | 30〜50万円(1回のみ) |
| 月額インフラ費用 | 3,000〜5,000円 |
| Claude API利用料 | 月2,000〜5,000円程度 |
| LINE Messaging API | 月0〜3,000円(フリープランで十分) |
| 月額ランニングコスト合計 | 約1〜1.3万円 |
初期費用の回収期間は以下のようになります。
年間削減額:約44〜49万円
年間ランニングコスト:約12〜16万円
年間純削減額:約28〜37万円
初期費用(50万円)の回収期間:約16〜21ヶ月
2年目以降は年間28〜37万円の純削減が続きます。
数字以外の効果
費用削減だけでなく、以下の効果も期待できます。
スタッフの離職防止 夜間・休日の問い合わせ対応はスタッフの大きなストレス要因です。AIが一次対応を担うことで、スタッフが休日に気持ちよく休める環境を作れます。1人のスタッフが離職した場合の採用・育成コストは数十万円にのぼるとも言われており、離職防止の効果は金額換算が難しいほど大きいです。
問い合わせ記録の蓄積 すべての問い合わせがデータベースに記録されるため、「どの時間帯に問い合わせが集中しているか」「どんな内容の相談が多いか」を後から分析できます。サービス改善やスタッフ配置の最適化に活用できます。
24時間対応による信頼性向上 「夜中に問い合わせたら翌朝まで返信がなかった」という経験をされたご家族は少なくありません。24時間以内に何らかの返答が届くことで、事業所への信頼感が高まります。
導入の流れ
当社では以下のステップで導入を進めます。
Day1に現地ヒアリングを行い、事業所の問い合わせ傾向・よくある質問・対応が難しいケースをお聞きします。Day2〜4で内部構築とシミュレーションを実施し、Day5にZoomでデモをご確認いただきます。Day6〜7でフィードバックを反映してDay8に納品、Day9〜30は検証サポートとして実際の運用を一緒に確認します。Day1以外はすべてリモートで完結します。
よくある質問
AIが間違った情報を返してしまうことはないですか? 医療的な判断・個別の契約内容など、AIが答えるべきでない質問には「担当者に確認してご連絡します」と返答するよう設定します。AIが不確かな情報を断言しないよう、プロンプト設計で制御します。
既存のLINE公式アカウントはそのまま使えますか? はい、既存のLINEアカウントにそのまま組み込めます。利用者・ご家族側の操作は一切変わりません。
月額費用はいくらかかりますか? インフラ・API費用合わせて月1〜1.3万円が目安です。当社への保守費用は別途月1〜2万円となります。
おわりに
このシステムは訪問介護に限らず、士業事務所・不動産仲介・製造業の受注対応など、さまざまな業種の問い合わせ対応に応用できます。
「自分の事業所でも使えるか確認したい」という方は、まずお気軽にご相談ください。ヒアリングのうえ、その場でデモの概要をお見せできます。
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