建設業の勤怠管理システム比較|工務店の直行直帰・変形労働時間制に対応

2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。タイムカードや手書きの日報では現場ごとの労働時間をつかみきれず、勤怠管理システムに切り替える工務店や建設会社が増えています。

この記事では、業務システムの導入支援を行う当社が、建設業の勤怠管理システム8つを、直行直帰の打刻、変形労働時間制、工事ごとの労務費、料金の四つの目線で比べます。料金・仕様は2026年9月時点の公式情報です。

先に答えをまとめると、会計や給与もまとめて整えたいならマネーフォワード クラウド勤怠、日報から工事ごとの労務費まで一度に集計したいなら使えるくらうど建設勤怠が候補になります。費用を抑えて始めるならジョブカン勤怠管理、10名までの工務店ならスマレジ・タイムカードの無料プランから試せます。

この記事で分かること
  • 建設業向け勤怠管理システム8つの料金と機能の違い
  • 直行直帰の打刻と変形労働時間制への対応状況
  • 時間外労働の上限規制と罰則の中身
  • 自社の状況に合うサービスの選び方

目次

状況別のおすすめと比較表

最初に、状況別のおすすめと、8つのサービスの比較表をまとめます。気になる行から、後の「各サービスの特徴と利用者の評価」で詳しく確かめてください。

久野

まず自社で使っている変形労働時間制の単位を確かめ、そのカレンダーで正しく集計できるかを無料期間に試してください。現場の職人にも使ってもらうのがポイントです。

状況別のおすすめ

自社の状況にいちばん近い行を選んでください。

こんな場合おすすめ選ぶ理由
会計・給与もまとめて整えたいマネーフォワード クラウド勤怠会計・給与など12のサービスを基本料金で使える。1年単位の変形労働時間制の設定例もある
日報から工事ごとの労務費まで集計したい使えるくらうど建設勤怠日報を一度入れるだけで、勤怠と工事ごとの労務費を同時に集計できる
費用を抑えて始めたいジョブカン勤怠管理1ユーザー月200円(税抜)から。打刻エリアを半径30mから設定できる
10名までの工務店で無料から試したいスマレジ・タイムカード従業員10名まで無料。位置情報つきの打刻と変形労働時間制に対応
打刻の方法を現場ごとに選びたいKING OF TIME位置情報つきのモバイル打刻、ICカード、生体認証などから選べる
スマホを使わない職人が多い現場勤怠ガラケーやメールでも出退勤を送れる

機能と料金の比較表

8つのサービスを、建設業で問題になりやすい点で比べました。記号での評価はせず、公式の情報で確認できた内容だけを書いています。公式で確認できなかった点は「導入前に確認」としました。

スクロールできます
サービス種別外出先の打刻変形労働時間制工事ごとの工数・労務費料金の目安
KING OF TIME汎用型位置情報つきのモバイル打刻1年単位の設定方法が公式ヘルプにある導入前に確認1人あたり月300円、初期費用0円
ジョブカン勤怠管理汎用型GPS打刻、打刻エリアは半径30mから導入前に確認工数管理プラン(別プラン)1プランなら1ユーザー月200円(税抜)、最低2,000円
マネーフォワード クラウド勤怠汎用型GPSで位置を記録1か月・1年単位の設定例が公式にある導入前に確認年払いで月4,480円(税抜・3名分)から
楽楽勤怠汎用型GPSなどの位置情報を取得導入前に確認工数管理の機能あり月30,000円(税抜)から
スマレジ・タイムカード汎用型Web打刻で位置情報を取得1週間・1か月単位導入前に確認10名まで無料
使えるくらうど建設勤怠建設業特化型日報で出退勤を入力(位置情報は導入前に確認)導入前に確認日報から工事ごとの労務費を集計人数と構成で異なる(問い合わせ)
勤CON管建設業特化型GPS打刻変形労働時間制・フレックス・シフトに対応工事・作業ごとに勤怠を入力月額制、1ライセンスから(問い合わせ)
現場勤怠建設業特化型ガラケー・スマホ・メール導入前に確認現場ごとの出勤を確認月2,000〜5,000円(5・10・20人以内)

無料で試せる期間はサービスによって違います。導入前に現場の職人にも使ってもらえるよう、期間を確かめてから申し込むと安心です。

  • 30日間:KING OF TIME(無料体験)、ジョブカン勤怠管理(全機能の無料プラン)
  • 1か月:マネーフォワード クラウド勤怠、勤CON管(10名まで)
  • 2週間:現場勤怠
  • 10名まで無料で使い続けられる:スマレジ・タイムカード
  • 公式サイトに記載なし:楽楽勤怠、使えるくらうど建設勤怠(問い合わせで確認)

建設業の勤怠管理が難しい理由

工務店や建設業の勤怠管理がほかの業種より難しくなるのには、現場で働くという仕事の形から来る理由があります。

直行直帰で打刻が残らない

現場で働くスタッフは、朝に事務所へ寄らず現場へ向かうことがほとんどで、打刻のためだけに事務所へ戻るのは現実的ではありません。そのため代理打刻や自己申告での管理が当たり前になり、実際の労働時間が見えにくくなっています。

自己申告に頼ると、記録と実態がずれやすくなります。スマホの位置情報つき打刻や、決めた範囲の中でだけ打刻できる仕組みを使えば、現場から打刻しても客観的な記録を残せます。パートや短時間で働く職人がいる場合は、週の労働時間で社会保険の加入が決まる点にも注意が必要です。詳しくは社会保険の適用拡大に備える勤怠管理システム比較で解説しています。

変形労働時間制の集計が複雑

建設業は工事の工程や天候によって忙しさの差が大きいため、1か月単位や1年単位の変形労働時間制を取り入れている会社が少なくありません。変形労働時間制では、期間の中で日や週ごとの労働時間を変えられる代わりに、残業の数え方が通常の働き方と変わります。

1年単位の変形労働時間制は、年間カレンダーで所定の労働日と労働時間を決めて運用します。Excelで集計していると、どの時間から残業になるのかを間違えやすく、勤怠管理システムを選ぶときは、自社で使っている単位(1か月か1年か)の変形労働時間制を設定できるかを最初に確かめてください。

工事ごとの労務費も知りたい

工務店や建設業では、「どの現場に誰が何時間入ったか」を工事ごとの労務費として管理したいという要望がよくあります。勤怠と工数を別々のシステムや紙で管理していると、同じ時間を二度入力することになり、かえって手間が増えてしまいます。

日報と勤怠を一度の入力で済ませたいなら、日報から工事ごとの労務費まで集計できる建設業特化型のサービスが向いています。汎用型でも、工数管理の機能を持つサービスなら、工事を「プロジェクト」として登録して時間を集計できます。


時間外労働の上限規制と罰則

建設業は、2024年3月まで時間外労働の上限規制の適用が猶予されていましたが、2024年4月からは、災害時の復旧・復興の事業を除いて、上限規制がすべて適用されています。

上限は、36協定を結んだうえでの原則と、臨時的な特別の事情がある場合(特別条項)の二段階です。

区分上限
原則月45時間・年360時間
特別条項(臨時的な特別の事情がある場合)年720時間以内
特別条項(時間外労働と休日労働の合計)単月100時間未満、2〜6か月の平均がすべて80時間以内
特別条項(月45時間を超えられる回数)年6か月まで

災害時の復旧・復興の事業では、時間外労働と休日労働の合計についての「単月100時間未満」「2〜6か月平均80時間以内」の規制は適用されません。ただし、それ以外の上限は同じように適用されます(厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」)。

上限を超えて働かせた場合は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。2025年6月1日に刑法が改正され、それまでの「懲役」は「拘禁刑」に変わりました。

複数月の平均は、月末に集計してから気づいたのでは手遅れになりがちです。勤怠管理システムの多くは、時間外労働が決めた時間を超えそうになるとアラートで知らせてくれるので、月の途中で現場の配置を見直せます。


勤怠管理システムの選び方

どのサービスも「機能が豊富」とうたっていますが、工務店や建設業が確かめたい点は絞られます。まずサービスの種類を決め、そのうえで確認したいことを表で見ていきます。

建設業特化型と汎用型の違い

建設業向けの勤怠管理システムは、建設業特化型と汎用型の二つに分けられます。

建設業特化型は、日報や工事ごとの労務費とつながる作りになっていて、勤怠と原価管理の二重入力を減らしたい会社に向いています。一方で、料金を公開していないサービスが多く、口コミも汎用型より少ないため、無料体験やデモで操作を確かめてから選ぶことになります。

汎用型は、1人あたり月数百円から始められるサービスが多く、給与計算や会計のソフトとつなぎやすいのが特長です。勤怠の集計と法令への対応をまず整えたいなら汎用型、日報と原価管理まで一つにまとめたいなら建設業特化型と考えると選びやすくなります。

選ぶときに確認したいこと

建設業で勤怠管理システムを選ぶときに確認したい点を、表にまとめました。

確認すること理由確かめ方
変形労働時間制を設定できるか?自社の単位(1か月・1年)に合わないと、残業を正しく集計できない公式ヘルプの設定方法、無料期間に自社のカレンダーで試す
現場から打刻できるか?直行直帰の打刻を客観的な記録として残したいGPS・位置情報つきの打刻、打刻エリアの設定の有無
工事ごとの工数・労務費を集計できるか?勤怠と原価管理の二重入力を減らしたい工数管理の機能、日報との連携
時間外労働のアラートがあるか?上限規制の複数月平均を月の途中で把握したいアラートの条件を自社で決められるか
年配の職人でも使えるか?使われないシステムは、記録が残らないスマホの画面の見やすさ、ガラケー・メールでの打刻
CCUSとつなぐ必要があるか?元請けから建設キャリアアップシステム(CCUS)での就業履歴の登録を求められることがあるCCUSの認定システム一覧に、検討中のサービスがあるか

CCUSは、建設技能者の資格や現場での就業履歴を業界横断で登録・蓄積する仕組みで、一般財団法人建設業振興基金が運営しています。勤怠管理システムからCCUSへ就業履歴を送るには、CCUSの「就業履歴データ登録標準API連携認定システム」に認定されている必要があります。

2026年9月時点の認定システム一覧には、この記事で取り上げた8つのサービスの名前は見当たりません。CCUSとつなぐ必要がある場合は、入退場の管理サービスと勤怠管理システムを組み合わせる方法も含めて検討してください。


各サービスの特徴と利用者の評価

ここからは、汎用型5つ、建設業特化型3つの順に、各サービスの特徴を紹介します。利用者の評価は、IT製品のレビューサイト「ITreview」の内容を要約し、出典を付けています。

KING OF TIME

料金
1人あたり月300円、初期費用0円
外出先の打刻
位置情報つきのモバイル打刻
変形労働時間制
1年単位の設定方法が公式ヘルプにある
向いている会社
打刻と法令対応から始めたい50名以下
ICカード・生体認証労働時間のアラート無料体験30日間

KING OF TIMEは、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2026年版」の勤怠管理ソフトSaaS市場で、利用ID数(2025年度実績)1位のサービスです。導入企業は75,000社、利用者は455万人です(2026年7月1日時点)。料金は1人あたり月額300円のワンプライスで、初期費用はかからず、1名から使えます。

打刻の方法が多く、位置情報つきのモバイル打刻、ICカード、指紋や顔の生体認証、チャットとの連携などから現場ごとに選べます。変形労働時間制は公式ヘルプに1年単位の設定方法があり、労働時間のアラートの機能もあります。

工数管理の機能は公式の機能一覧で確認できなかったため、工事ごとの労務費まで一つにまとめたい場合は、導入前に集計の方法を確かめてください。

利用者の評価
「ITreview」では600件を超えるレビューが寄せられています。打刻の方法を状況に合わせて選べること、月末の締め作業が大きく短くなったこと、変形労働制やシフトなど複雑な就業ルールに対応できることが評価されています。一方で、導入の初期設定の項目が多く、人事や給与の知識が必要だという声があります。管理画面が無機質で、機能が多すぎて分かりにくいという指摘もあります(ITreview:KING OF TIMEのレビュー)。

打刻の正確さと法令への対応から始めたい、50名以下の工務店や建設会社に向いています。無料体験は30日間です。

ジョブカン勤怠管理

料金
1ユーザー月200円から(税抜)
外出先の打刻
GPS打刻、打刻エリアは半径30mから
変形労働時間制
導入前に確認
向いている会社
費用を抑えて工数も集計したい50名以下
打刻エリア半径30m工数管理プラン無料プラン30日間最低料金月2,000円

ジョブカンは、シリーズ累計の導入社数が30万社、有料ユーザー数が300万を超えるサービスで、「ITトレンド年間ランキング2025」では勤怠管理・就業管理システムの1位になっています。料金は使うプランの数で決まり、勤怠の出勤管理だけなら1ユーザー月200円(税抜)、最低利用料金は月2,000円です。

GPS打刻は出勤管理プランに含まれ、打刻エリアを最小半径30mから設定できるため、現場の範囲の中でだけ打刻させる使い方ができます。工数管理プランを加えると、プロジェクトやタスクごとの作業時間を入力・集計でき、この工数管理プランは機能の大幅なアップデートも発表されています。

工事を「プロジェクト」として登録すれば、費用を抑えながら工事ごとの作業時間を集計できます。変形労働時間制の設定の範囲は、30日間の無料プランで確かめてください。

利用者の評価
「ITreview」には200件を超えるレビューがあり、出勤と退勤のボタンだけで使える画面の分かりやすさや、紙やExcelの手作業が減って集計の負担が軽くなったことが評価されています。その一方で、打刻の取り消しや変更を自分でできず、上長に頼む必要があるという不満が見られます。PC版とモバイル版でログインが違う、スマホで文字が小さく見づらいという声もあります(ITreview:ジョブカン勤怠管理のレビュー)。

コストを抑えながら工事ごとの工数も集計したい、50名以下の工務店や建設会社に向いています。

マネーフォワード クラウド勤怠

料金
年払いで月4,480円から(税抜・3名分)
外出先の打刻
GPSで位置を記録
変形労働時間制
1か月・1年単位の設定例が公式にある
向いている会社
バックオフィス全体を整えたい工務店
12サービスを基本料金で色別の残業アラートICカード・スマホ打刻無料期間1か月

マネーフォワード クラウド勤怠は、会計・給与・経費精算などと同じ「マネーフォワード クラウド」のサービスで、クラウド勤怠を含む12のサービスを基本料金で使えます。マネーフォワード クラウドの利用事業者数は19万事業者を超えています。

従業員50名以下向けの料金は、年払いならスモールビジネスプランが月4,480円(3名分)、ビジネスプランが月6,480円(5名分、6名以上は1名300円)で、いずれも税抜です。勤怠だけでなく会計や給与もまとめて契約できるため、ソフトを個別に契約するより管理がシンプルになり、費用の見通しも立てやすくなります。

打刻はICカード・スマホ・パソコンに対応していて、GPSで打刻した場所を記録できます。1か月単位・1年単位の変形労働時間制は公式サポートに設定例があり、月の時間外労働を集計して色別のアラートで示すので、上限規制に近づいた人をすぐに見つけられます。

なお、マネーフォワード クラウドは毎週火曜日の午前1時〜5時に定期メンテナンスがあり、その間は使えません。夜間に現場がある会社は、打刻の運用を決めておきましょう。

利用者の評価
「ITreview」のレビューでは、PC・スマホ・タブレット・ICカードと打刻の手段が多く外出先でも使いやすいこと、操作が直感的で年配の人でも使えること、給与や会計のソフトとつながって二重入力が減ることが評価されています。一方で、初期設定や勤怠ルールの設定が分かりにくく、試行錯誤が必要だという声があります。変形労働制などの例外的な設定では、手作業の修正が発生するという指摘もあります(ITreview:マネーフォワード クラウド勤怠のレビュー)。

「勤怠だけでなく、バックオフィス全体を整えたい」という工務店に向いています。1か月の無料期間があり、ビジネスプラン相当の機能を試せます。

楽楽勤怠

料金
月30,000円から(税抜)
外出先の打刻
GPSなどの位置情報を取得
変形労働時間制
導入前に確認
向いている会社
ある程度の人数がいる建設会社
工数管理の機能打刻漏れのアラートサポート費用込み

楽楽勤怠は、経費精算の「楽楽精算」などで知られるラクスのサービスで、ラクスのクラウドサービスは累計108,000社に導入されています(2026年3月末)。料金は月額30,000円(税抜)からで、システム利用料・データのバックアップ・バージョンアップ・サポートの費用が含まれます。

パソコンやスマホでの打刻では、GPSなどの位置情報を取得できます。工数管理の機能があるので、プロジェクトや現場ごとの作業時間を集計でき、打刻漏れなどの誤りは自動のアラートで知らせてくれます。

月額の最低料金が30,000円からなので、人数が少ない工務店より、ある程度の人数がいる建設会社で費用が見合いやすいサービスです。変形労働時間制の設定範囲は、公式ページで確認できなかったため、導入前に問い合わせてください。

利用者の評価
「ITreview」のレビューでは、月末に集中していた勤怠の対応を平らにならせたこと、画面が簡潔で見やすいこと、専任の担当者による導入支援で短い期間で使い始められたことが評価されています。一方で、ヘルプサイトの情報が少ないという声があり、導入前に自社の勤怠ルールを整理しておかないと、設定と集計の関係が分かりにくいという指摘もあります(ITreview:楽楽勤怠のレビュー)。

スマレジ・タイムカード

料金
10名まで無料(11名以上は有料)
外出先の打刻
Web打刻で位置情報を取得
変形労働時間制
1週間・1か月単位
向いている会社
費用をかけずに始めたい10名までの工務店
10名まで無料応援打刻位置情報つき打刻

スマレジ・タイムカードは、従業員10名までならスタンダードプランを無料で使える勤怠管理サービスです。11名以上は月1,210円に1人あたり110円が加わり、上位のプレミアムプランは10名まで月2,420円、11名以上は1人あたり385円が加わります(いずれも税込)。

Web打刻では従業員が打刻した位置情報を取得でき、管理画面で打刻の位置を確認できます。別の事業所へ移って働く場合の「応援打刻」もあるので、一日に複数の現場を回る使い方にも合わせやすいでしょう。変形労働時間制は1週間単位と1か月単位の設定があり、1年単位の変形労働時間制を使っている会社は、無料プランで設定できるかを確かめてから本格的に導入してください。

利用者の評価
「ITreview」のレビューはまだ13件と多くありませんが、画面が分かりやすく全従業員が迷わず使えることや、紙からの切り替えで集計の時間とミスが減ったこと、有休管理や給与計算まで基本料金に含まれることが評価されています。一方で、スマホでの操作性や、ほかのシステムとのデータ連携を充実させてほしいという声もあります(ITreview:スマレジ・タイムカードのレビュー)。

「まずは費用をかけずに勤怠をシステムにしたい」という10名までの工務店に向いています。

使えるくらうど建設勤怠

料金
人数と構成で異なる(問い合わせ)
外出先の打刻
日報で出退勤を入力(位置情報は要確認)
変形労働時間制
導入前に確認
向いている会社
現場ごとの労務費管理まで一本にしたい
日報から労務費を集計日報の催促メール残業30時間でアラート建設業特化型

使えるくらうど建設勤怠(旧:使えるくらうど勤怠管理for建設業)は、アサクラソフト株式会社が提供する、建設業向けのクラウド勤怠管理システムです。累計販売数は630本を超えています(2025年3月時点)。

最大の特徴は、日報を一度入力するだけで、勤怠の時間と工事ごとの労務費が同時に集計される点です。担当者と工事を選んで出勤・退勤の時間を入れれば日報が終わるので、これまで別々に行っていた勤怠の集計と原価管理が一本になり、二重入力がなくなります。日報を出していない人への催促メールや、有給休暇の管理、時間外労働の見える化もそろっています。

時間外労働の管理では、働き方改革で定められた四つの上限ルールに応じて状況を確認でき、たとえば当月の時間外労働が30時間を超えたらアラートを出し、本人に警告メールを送る設定ができます。

料金はシステムの構成と利用人数で異なるため、問い合わせが必要です。スマホからの位置情報つきの打刻に対応しているかは、公式サイトで確認できなかったため、導入前に問い合わせてください。

口コミサイトに公開されている利用者の声は、汎用型のサービスに比べてまだ多くありません。勤怠管理に特化したシステムなので、工程や図面など現場のすべての情報を一つにまとめる用途には向かない点も踏まえ、デモで実際の画面を確かめてから判断するのが確実です。

現場ごとの労務費管理までシステムで一本にしたい工務店・建設会社に、最も向いているサービスです。

勤CON管

料金
月額制、1ライセンスから(問い合わせ)
外出先の打刻
GPS打刻
変形労働時間制
変形・フレックス・シフトに対応
向いている会社
工事・作業ごとに勤怠を入力したい会社
アプリ不要のブラウザ打刻ガリバー連携無料体験1か月最低契約2か月

勤CON管は、あさかわシステムズ株式会社が提供する、建設・工事業向けの勤怠クラウドサービスです。工事や作業ごとに勤怠を入力でき、変形労働時間制・フレックスタイム制・シフト制にも対応しています。

打刻はスマホやタブレットのブラウザから行い、アプリを入れる必要はありません。GPS打刻で打刻した場所を確認できるので、直行直帰の多い現場でも記録を残せます。同じ会社の建設業向け基幹システム「ガリバーシリーズ」と連携すると、給与計算や工事管理まで自動でつなげられます。

料金は月額制でプランごとに異なり、1ライセンスから契約できます(最低契約期間は2か月)。10名まで1か月間使える無料体験があるので、現場の職人に実際に使ってもらってから判断できます。口コミサイトの利用者の声は少ないため、無料体験で使い勝手を確かめてください。

現場勤怠

料金
月2,000〜5,000円(人数区分)
外出先の打刻
ガラケー・スマホ・メール
変形労働時間制
導入前に確認
向いている会社
スマホを使わない職人が多い現場
ガラケー対応メールで出退勤無料期間2週間

現場勤怠は、株式会社mediaplaceが提供する建設業向けの勤怠管理サービスです。スマホだけでなくガラケーにも対応し、メールで出退勤を送れるため、スマホの操作に慣れていない年配の職人が多い現場でも使いやすいのが特長です。

現場ごとの出勤を確認・修正して会社に報告する流れになっていて、料金は5人以内・10人以内・20人以内の区分で月2,000〜5,000円と、少人数の工務店でも始めやすい価格です。2週間の無料期間があります。

変形労働時間制やGPS打刻の対応は公式サイトで確認できなかったため、この二つが必要な場合は導入前に問い合わせてください。口コミサイトの利用者の声も少ないので、無料期間で実際の使用感を確かめることをおすすめします。


自社サーバー設置型は必要か?

勤怠管理システムには、クラウド型のほかに、データを自社のサーバーで管理するオンプレミス(自社サーバー設置型)の製品もあります。

インターネットを経由しないため外部から攻撃されるおそれが低い一方で、サーバーの購入・設置から日々の運用、法改正に合わせたアップデートまでを自社で行う必要があります。

IT専任の担当者がいない5〜50名規模の工務店や建設会社にとって、この運用を続けるのは現実的ではありません。アマノの「TimePro-VG」や日立ソリューションズの「リシテア」も、今はクラウド版(VG CLOUD、リシテア/就業管理クラウドサービス)を提供しています。工務店や建設会社であれば、クラウド型で十分です。


工事台帳や原価管理とつなぐには

クラウドの勤怠管理システムは、法令への対応や打刻の管理、集計の自動化には効果がありますが、「自社独自の工程管理をしたい」「使っている施工管理システムとデータをつなぎたい」といった要望には応えきれないこともあります。

たとえば、「勤怠はシステムにできたけれど、そこから工事台帳への転記がまだ手作業」「使っている原価管理ソフトとうまくつながらない」といったご相談を、当社ではよくいただきます。勤怠のデータと原価のデータを月末に突き合わせる作業は、システムどうしをつなげば自動にできます。考え方は勤怠の突き合わせを自動にする設計で紹介しています。

久野

勤怠をシステムにした後に残りやすいのが、工事台帳や原価管理への転記です。勤怠と原価のデータを月末に突き合わせる作業は、システムどうしをつなげば自動にできます。

工事の予定や協力会社との共有を見直したい場合は、小さな工務店の工程管理アプリの選び方もあわせてご覧ください。見積り・請求・支払まで管理するソフトは、次の記事で比べています。

既製のサービスでは届かない部分を補う業務システムの開発や、勤怠管理システムとつながるシステムの構築をご検討の方は、お気軽にご相談ください。


まとめ

この記事の要点
  1. 直行直帰・変形労働時間制・労務費・上限規制の四つで比べる
  2. 候補はマネーフォワード クラウド勤怠と使えるくらうど建設勤怠
  3. 無料期間に職人にも使ってもらい、自社のカレンダーで集計を確かめる

建設業の勤怠管理システムは、直行直帰の打刻、変形労働時間制、工事ごとの労務費、時間外労働の上限規制への対応の四つで比べると選びやすくなります。

会計や給与もまとめて整えたいならマネーフォワード クラウド勤怠、日報から工事ごとの労務費まで一度に集計したいなら使えるくらうど建設勤怠が候補です。

費用を抑えて始めるならジョブカン勤怠管理、10名までの工務店ならスマレジ・タイムカードの無料プラン、スマホを使わない職人が多い現場なら現場勤怠も検討してください。

どのサービスを選ぶ場合も、無料期間のうちに現場の職人にも使ってもらい、自社の変形労働時間制のカレンダーで正しく集計できるかを確かめてから決めると、導入後に「使われない」状況を防げます。

ほかの業種の勤怠管理については、介護の勤怠管理システム比較で訪問介護の直行直帰への対応を比べています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1981年生まれ、名古屋出身。株式会社ニューロシンク代表。

2008年に渡独し、ベルリンで約18年間エンジニアとして活動。ドイツの国家資格である職業訓練プログラム「アプリケーション開発専門IT技術者」を修了後、医療系の自社開発企業でデスクトップ・Webアプリケーションの開発に4年間従事しました。2022年からはドイツの大手SIer「Adesso SE」で、フルスタックエンジニアとしてリードポジションを務めました。

2026年に日本へ帰国し、同年9月に株式会社ニューロシンクを設立。愛知・岐阜・三重の町工場を主な対象に、AI導入と業務システムの改善を支援しています。提案だけで終わらせず、工場に足を運んで一緒に手を動かす。そんな現場に立つAIエンジニアでありたいと考えています。

著書「AI時代の海外移住戦略」

コメント

コメントする

目次